生命保険、死亡保険と相続放棄

生命保険、死亡保険と相続放棄。こんなことに興味があって、このサイトに訪れていただいた方は、尊属亡くして今まさに相続に直面、真只中にある、相続放棄しようか否か迷っているなんて人が多いでしょう。
答えを急ぐ人のため、まずは、簡潔に結論を書いておきますが、「相続放棄をしても生命保険を受け取る権利はある」というのが基本です。
でも、ただし・・がつきます。相続税法上の「みなし相続財産」にはありますが、相続放棄しない時と比べて不利な点もあります。この点は理解しておくほうがいいでしょう。
これから「相続放棄をしても生命保険を受け取る権利はある」という結論の根拠になる法律と、相続税法上の「みなし相続財産」について、書いていきましょう。答えは「相続放棄をしても生命保険を受け取る権利はある」ですが、以下の情報も知っておいて損ははないと思います。

 

まず、「相続放棄をしても生命保険を受け取る権利はある」ということの根拠ですが、もちろん法律が根拠です。日本は曲りなりに法治国家ですから、誰かが勝手にああだこうだと決めることはありません。法律に乗っと手決まるのですが、今回の場合重要になるのは民法537条。これが拠り所とされます。
民法537条の第1項と第2項。法律の言葉はそのままでは難しいですから、Xさんの生命保険、死亡保険を例にとって具体的に書いてみましょう。
Xさんが、生命保険会社の生命保険を契約したとします。Xさんが死亡したら、Xさんの妻が、死亡保険金を受け取る契約です。
さて、数年、数十年が過ぎました。まあ数百年はないでしょう。Xさんさんが死亡し、支払事由が発生しました。これまでに残念なことにはXさんに人生にはいろいろなことがあって、借金を残したままでの逝去となってしまいました。Xさんの妻は、Xさんの遺産に対しては相続放棄をすることにしました。
ところが、Xさんと生命保険会社の契約は、商法の契約なので、相続放棄をしたからといって、ここで死亡保険金を受け取る権利は、失わない、相続放棄に含まれない・・・というのが、現在の解釈です。
我ながら、「現在の解釈」というなんだか歯切れの悪い書き方をしましたが、なにも相続だけの話じゃなくて、法律一般として裁判による憲法や刑法、民法の解釈、判決は時代によって変化するからです。もちろん、それまでの判例も十分考慮されはしますが、変化していくものであることは、知っておいて損はないと思います。

 

次は税金の話です。とにかくお金が入ってくれば、税金がかかります。サラリーマンの給料は天引きされているのでうっかりしていまいますが、入ってくるお金は全部使えるわけじゃなありませんよね。
相続放棄したのに保険金入ってきたとなれば、当然身内をなくした頃ですから、不幸中の幸いと感じるでしょうね。そんなときに、税金とか言って欲しくはないんですが、そうはいきません。
保険金を受け取る人が、法定相続人であれば相続税の対象になります。相続放棄をしているのに相続税って納得できないような気がするかもしれません。でも、相続税じゃなくて普通の所得税だと、非課税限度額とかありません。相続税だからこそ、500万 X 法定相続人の数という非課税限度額が使えるのです。税金がかかるなら所得税じゃなくて、相続税である今のままであって欲しいものだと、管理人などは思いますけどね。

 

もちろん、一番いいのは、税金がないこと、全額控除になってくれることなんですけどね。

 

 

 

 


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