スチュワードシップ・コードと生命保険会社

スチュワードシップ責任

 

スチュワードシップ・コードというのをご存じでしょうか。保険業界に身をおかれていて、管理人などよりも保険商品についてはとっても詳しいという方でも、もしかしたらスチュワードシップ・コードについてはご存知ないかもしれません。なにしろ、これはもう保険というより投資、株の世界の話でからね。
スチュワードシップ責任ということが言われるようになってずいぶん経ちます。管理人は最初にこれ耳にした時、貴族の義務 ノブリスオブリージュを連想しました。現代的にはいろいろな解釈ができると思いますが、管理人は社会的に恵まれている強者は積極的に社会より受領した恩恵に対して社会に貢献する義務を負う、その義務こそノブリスオブリージュと思ってます。金持ちや政治家の腹に叩き込んでやりたいことですw
ノブリスオブリージュなんてきれいごとじゃなくて、貴族が民衆を支配するための免罪符、言い訳だと断罪する方もいますが、まあネガ思考よりポジ方面に考えたいなぁと思います。そのほうがなんだか明日が明るい気がするし
さて、スチュワードシップ責任。これは投資家の中でも、大口の、とっても沢山の資金を駆使できる機関投資家の責任のことです。個人が毎月数万円とかいう投資家の責任の話じゃありません。また「投機」、とにかく稼げばいいんだよ・・・というディトレーダーも対象としません。というか、スチュワードシップ責任を考えれば、短期の投機、ディトレードなんてできないですからね。

 

投資企業やその事業環境に関して深い理解をしていることを前提とてい、建設的な「目的をもった対話」(エンゲージメント)を行う。
その建設的な「目的をもった対話」(エンゲージメント)によって、当該企業の企業的価値の広報、持続的成長を促す。
その当該企業の企業的価値の広報、持続的成長により、顧客、受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る。

 

スチュワードシップ責任は、前記の方法によって、顧客、受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任のことを意味しています。
その時だけ儲かればいいという刹那的な目じゃなくて、中長期のリターンが、最終的には、顧客、受益者の本当の利益でしょうし、機関投資家自身(この場合は、生命保険会社自身)にとても利益になる話といえるでしょう。
ノブリスオブリージュだって、社会や国に貢献する義務・・・というのは、その時は損をしたように見えますが、中長期的にはそれが貴族の利益になってくることほうが多いわけですからね。

 

日本版スチュワードシップ・コード

 

じゃあ、このスチュワードシップ責任を果たすためにはどうしたらいいのでしょうか、と。なんかガイドとか原則みたいなものはないのでしょうか、と。
答えを書けば勿論あります。それがスチュワードシップ・コードですが、これを作ったのは誰でしょうか。

 

保険会社は勿論保険のプロです、けれども、投資のプロ、権威者かというと、ちょっと違うでしょう。投資のプロ、権威者というと証券会社とかも思い浮かびますが、中立性に疑問もあります。
どこが中立的で、公益性を果たすにふさわしいかといえば、日本では金融庁、東京証券取引所あたりが主宰する有識者会議が、妥当な落としどころだったようです。

 

7つの原則を定めた日本版スチュワードシップ・コードがあり、金融庁・東京証券取引所の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」で日本版スチュワードシップ・コードの改訂することが望ましいとの意見書が出され、議論を経て、2017/5/29に改訂されました。

 

この日本版スチュワードシップ・コードには、法的な拘束力はありません。・・・が、金融庁が音頭とってるんですよ。ノブリスオブリージュ、貴族の義務なんて、キレイな例えを持ち出した管理人ではありますが、お役人様がお決めになられた原則に、ひれ伏さない民間企業は、かなり勇気ある存在であるくらいのことは知っています。
2016/12/27現在、日本版スチュワードシップ・コードの受け入れを表明しているのは、生命保険会社が18社、損保会社は、あいおいニッセイ同和損保、三井住友海上、損保ジャパン日本興亜、東京海上日動の4社です。まあ外資系保険会社は、そもそも投資先が日本じゃないんでしょかね。そりゃあ、受け入れる必要はないですよね。

 

日本版スチュワードシップ・コードの原則 概要

 

投資先企業の持続的成長を促し、顧客、受益者の中長期の投資リターンの拡大を図るための7つ原則の概要は、以下のようになっています。

 

スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針の策定と公表
スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について公表
スチュワードシップ責任を適切に果たすため、投資先企業の持続的成長に向けて状況を正確に把握
投資先企業と「目的を持った対話」を通じ、認識の共有、問題の改善に努める
議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つ、議決権の行使方針は投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫する
議決権の行使を含めたスチュワードシップ責任を果たしている状況を、原則として、顧客、受益者に定期的な報告
投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業や事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話とスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備える。

 

各社のスチュワードシップ・コードに関する取組状況

 

==>日本生命のスチュワードシップ・コードに関する取組状況 (2017/9/22公開)
==>第一生命のスチュワードシップ・コードに関する取組状況 (2017/5/30公開)
==>明治安田生命のスチュワードシップ・コードに関する取組状況 (2017/9/14公開)
==>住友生命のスチュワードシップ・コードに関する取組状況 (2017/9/5公開)

 

 


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