保険会社の社員が加入する保険って?
今や、通販型自動車保険のCMをTVで見かけない日はありません。皆さんは通販型自動車保険の会社を何個挙げることができますか?ソニー損保、アクサダイレクト、イーデザイン損保・・・これらの会社はCMだけではなくインターネットを閲覧する際にもよく広告が見られますよね。私自身、保険会社に勤務していた時は、やはり自社の自動車保険に加入しておりました。私の勤務していた会社では「社員は必ず自社の自動車保険に加入しろ」という強制はなかったのですが、社員であれば団体割引の対象となりますので一般で加入するよりも安いということで加入する人が多かったです。ちなみに、社内にきちんと社員向けの保険販売を主な業務とする部署があったので、そこが代理店としての役割を担っていました。一方で、自分の自動車保険を代理店に頼むことで代理店と信頼関係を作るといった人もいました。勿論1人で複数の代理店を担当しているわけですから、大っぴらに協力するとは言ってませんがね。特に年度末やキャンペーン期間中等は1件1件の積み重ねが大事になりますから、家族の契約も巻き込み、なんだかんだで気が付いたら周辺が皆自分の会社の自動車保険に入っているという展開になるわけです。ちなみに社員が普段業務で使うパソコンは、契約者名を入力すると契約一覧がズラッと出てきますので、勤務中に自分の契約を見ることができます。勿論上司や後輩の契約も見ることができますよ。そんな元保険会社社員の私ですが、退職後に引っ越ししたこともあり今までの職場や代理店と会う機会もなくなったので、退職後初めて迎えた更新で通販型自動車保険に切り替えてみることにしました。その時どのようなツールを使ったのか、感じたメリットやデメリットについて記載をしたいと思います。
試算はらくらく
保険料見積もり一括サイトを利用してみました。ここに基本情報を入力すると、各保険会社のおすすめプランの試算結果がメールアドレスに届きます。実際利用してみると、入力完了後にすぐメールを開いたら2~3社から連絡が来るくらいのとてつもない早さです。基本情報は保険証券か車検証が手元にあれば、難しくありません。型式、初度登録年月、登録番号を入力してしまえば、後は自分の名前や生年月日、誰が運転するのかを入力するだけなので資料を見るまでもありません。ちなみに一括見積もりサイトを利用しただけで、QUOカードやら図書カードやらが貰えるキャンペーンが実施されていることもあります。興味のある方はその時期にトライしておくと良いかもしれません。プレゼントのみ受け取ろうとする不純な動機の人をある程度排除するため、1度サイトを利用した人は、利用後約半年はプレゼント対象から外れるそうですしね。
一括見積もりサイトでらくらく
一括見積もりサイトに登録すると、メールに試算結果が送られると同時に、ハガキでも試算結果が送られてきますので、自分の好きなタイミングで、且つ家の中で外出先でも保険料を見比べることができます。代理店で契約した場合の保険料の半分とまでは言いきれませんが、その安さに脱帽させられることは間違いありません。いずれの会社も試算結果と一緒に、専用IDとパスワードが通知されるので、専用ページにアクセスすれば契約も好きな時にできます。それこそ出張先であろうが、深夜であろうが、いつでもOK。パソコンがなくてもスマホがあれば指1本で契約できてしまうこの気軽さ。代理店と契約する形式では味わえないですね。
ちょっと待て!分かっていますか?その違い
色々な保険会社の試算結果をまとめて知れるのが一括見積もりサイトの良いところですが、それにはちょっと落とし穴があるような気がします。まず、各保険会社の試算結果が必ずしも同じではないということです。例えば同じ車両でも、車両保険の金額に差があるのです。実際に私が試算した会社は最低で45万円、最高で75万円と30万円も開きがありました。また、車両免責金額も5万円(1回目の事故)-10万円(2回目の事故)があれば、10万円(1回目の事故)-10万円(2回目の事故)だったりします。正直保険にあまり関心がなく、保険料しかチェックしないような方だったら、この違いには気付かないと思います。1社だけチェックして、全部同じような内容だろうから1番安いところに決めちゃおう~みたいな思考回路だと絶対失敗します。送られてきた試算結果について、その会社に質問するのは簡単ですが、他の会社と比べるのは自分にしか出来ない作業です。とりあえず注意すべき点は、対人賠償と対物賠償が無制限で対物免責が0万円なんてどこの会社もデフォルトみたいなものですから、わざわざここを見比べることはありません。あと、ロードサービスも大体同じようなものです。「お客様満足度1位です」とか「1人の担当者が最後まで丁寧にサポート」とかも気にしなくて良いです。お客様からの評価なぞ、データを集計する会社が違えば結果は変わりますし、1人の担当者が同じ事故を担当するのはどこの会社もやっていることです。そんな宣伝文句に惑わされる必要はありません。注目すべきは車両保険の金額と免責、人身傷害と搭乗者傷害の金額です。このあたりをきちんと比べましょう。車両保険金額に違いがあるならば、それを同じにした場合試算結果はどのように変わってくるのか?また、免責金額は変えることができるのか?(等級が低ければ免責金額は選べない会社もあります)その他の特約をつけたらどうなるのか?CMの宣伝文句じゃありませんが、「違いを分かっているか」が良い保険選びをする際のポイントです。
割引やプレゼントを有効活用する
早期に契約すると8,000円割引、証券を不発行にすると500円割引、お友達を紹介すると1000円割引、インターネットで契約を完結すると1,000円割引等通販型自動車保険は色々な割引サービスを提示してあれやこれやの客取り合戦をしています。満期の前日に契約しても1か月前に契約しても保険料が変わらないというのであれば急ぐ必要はありませんが、それで8,000円だの10,000円だの違うとなれば、気持ちも焦りますよね。とにかく試算は満期の2~3か月前から出来ますので、割引を生かしたいのであれば早めにやっておくべきです。残念ながら私は通販型に切り替えた際に、前契約が2年契約だったため、インターネット手続きの対象外になってしまい、オペレーターに連絡して申込書を送ってもらうハメになりました。それでも十分安かったのですが、ちょっと悔しいですね。正直な話、説明をきかずとも大体のことは理解していますから、今更教わるようなことはないのです。これは予想にすぎませんが、他にも事故があったとか、前契約が短期契約とかで、とにかく普通の1年契約ではない場合は、色々と確認事項が増えるので、誤りが発生しないよう敢えてインターネットで完結させていないのではないかと思います。翌年の更新はインターネットで終わると思いますので、それに期待をするとしましょう。また、自分の契約を通販型に切り替えた後、親の契約も通販型に切り替えさせ、それを私の紹介ということにしたら、後日保険会社からお米(2キロ)が送られてきました。抽選ではなく、紹介した人には全員に当たるというから感心です。
個人的に思うこと
少し偏ったかもしれませんが、以上が私が通販型自動車保険に切り替えた際の体験談です。「これだけ気軽で保険料が安いならば、代理店でいちいち説明されて高い保険料を払うのが嫌という人が増えるのも納得します。どんな保険を選ぶか、その結果どんな目に遭うかは人それぞれです。通販型が良い、代理店で契約したら良いなんていう価値観は人によって違うのです。ただ、頭ごなしに一方を否定するのは良くないと思うので、とりあえず更新が近づいたら、時間のある限り色々な見積もりをしてしまえば良いと思います。