保険マップ

保険会社の人事の話

保険会社での評価、働き方について

今回は保険会社の人事に関する話です。人事といっても、保険会社に就職するためには?という話ではなく、実際働いている人の評価や働き方についてお話することになります。保険会社は福利厚生がしっかりしているので、女性が出産しても復職してバリバリ働くことが可能です。何かの参考になれば嬉しいです。

評価されやすい人、評価されにくい人

やはり営業部門は仕事の成果が数字に表れるので、社員自体が目標も立てやすいですし、上司も達成できたかどうかという評価をしやすいです。目標を立てる時は件数ベース、あるいは営業成績ベース、あるいは前年比ベース等色々な指標を基準にも目標を立てます。立てた目標は年度末に振り返りをするのですが、仮に目標が達成できなくても、達成できなかった要素が分かれば翌年以降は○○に気をつけましょうと改善すべき点を上司と共有できます。(場合によっては、その社員はとても頑張ったけれども、大口契約先の倒産という不運があってマイナス要素が多かったという時もあるので、数字だけでは分からない部分もあるのです)私が見たところ、営業部門はまあまあ評価がしやすいのではないか?という印象です。逆に、事故担当は営業部門よりも評価が難しいのではないか?と思います。そもそも事故担当は「今年1年で事故を○件解決した」「1件の事故を、○日以内にスピード解決させる」なんて目標を立てられません。事故の内容によっては交渉が難航し、解決が長期間にわたるものもありますし、そもそもスピード解決をしたからといって、お客様の不満に残るようなお粗末な事故対応では意味がありません。中には数年間も交渉しなければいけないものもあります。「今月発生した交通事故を10件解決した」と「4年間解決に難航した交通事故を解決した」のどちらがすごいかというのを、一概に比べることはできません。だからこそ、難しいのです。評価する項目としては、担当した事故の関係者から寄せられたアンケート結果で高評価を受けているとか、代理店や修理工場から頼りにされている、上司後輩はじめ社内の関係者と協力体制が的確である等、数字では測りにくい項目になります。同じ入社であっても、営業部門にいる社員の方が昇進が早いのは、このあたりが理由ではないかと思います。

取引先の令息令嬢がいる

コネ入社と言うととても聞こえが悪いのですが、取引先のお坊っちゃん、お嬢さんが社員として働いていることはあります。スペックとしては「○○ディーラーの社長の息子、将来は自社を継ぐ予定、保険営業の何たるかを勉強するために保険会社で勤務中」をイメージして下さい。取引先の引き継ぎをする時に、相手方の趣味嗜好や経歴を引き継ぐのは勿論のことですが、その家族情報も大事な引き継ぎ項目になります。何せ社員で入社してくれれば、お互いの関係はより強固なものになりますし、上手くいけば取引量(保険で言えば契約件数か営業成績)アップも期待出来ます。実際私の同期も取引先の会社のお嬢様で、上司がその子のお父さんのことをよく知っていました。(接待でよく飲んでいるらしい・・・)取引先のお子さんだからといって、適当に仕事をしていて良いわけではありませんし、勿論当人も真面目に仕事をしています。むしろ有名人なので、別の支店やフロアで仕事をしていても顔と名前は知られているために、サボろうにもサボれないかも!?

追い越せ追い抜け

保険会社の昇進は年控序列ではありません。実力があれば若い社員でも急に昇進しますし、ベテラン社員でも成果が上げられなかったり問題を起こせば降格があり得ます。40歳の課長の下に、50歳のベテラン課長代理がいる・・・なんて構造も珍しくはありません。また、長年課長代理の職についていても、その中で評価が細かく分かれているので、同じ役職なのにお給料やボーナスに数万円~数十万円の差がつくといったこともあります。本人の実力がそのまま評価につながる場合もありますが、例えば上司が「この子は見込みがあるから育てたい」となると敢えて難しい仕事を担当させ、ある程度成果を出してから昇進・・・ということもあります。ただ、昇進した本人は大変です。昇進するということは、給料だけではなく責任も増えるということ。年上の部下を持つはめになり、「上司の計らいで昇進するなんてえこひいきでは?」と揶揄すれることも。しかも昇進すれば昇進しただけ残業時間が増えるので、拘束時間も増える。一部では、敢えて若い社員を昇進させることで、長年同じ役職・地位で満足している中堅社員のやる気を引きだしているという説もあります。事の信ぴょう性はともく、保険会社の人事は「皆で仲良く頑張りましょうね」ではなく、「年齢関係なんて関係ないから、追い越せ追い抜け」です。

出向は左遷ではない

銀行が舞台のドラマを見ていると、「出向になったら行員としての人生は終わり」「2度と行員としては働けない」といった悲惨なイメージがあります。(それが実際正しいものかどうかは分かりませんが・・・)保険会社の出向はそれほど悲惨なものではありません。退職間近の人が出向して戻ってこないというのは実際ありますよ?しかし、若い社員もたくさん出向しています。出向先の例として分かりやすいのが代理店です。しかも普通の代理店ではなくて、ディーラーとか銀行。ディーラー内の自動車保険を販売促進させるためのキーマンとして出向する、あるいは銀行内の火災保険(商品数が多い銀行であれば生命保険も含む)を販売促進させるためのキーマンとして出向するというのがあります。出向者がいれば、保険会社側は代理店の内情が知れるので仕事がしやすいですし、他社に先駆けて戦略をしかけたり情報を手に入れたりすることができます。受け入れた側も保険会社のノウハウを手に入れることができるので、保険の販売を強化することができます。ただ、出向先の部署で保険の仕事ばかりしているかというわけではなく、実際に車を販売していた人もいるようです。ただ、そういう営業マンの経験を積んだ保険会社の社員が、いざ保険の現場に戻ると、保険の話もディーラーのセールスも分かる営業マンとして一目置かれることになります。

女性の活躍を推進する業界

安倍政権の目標ではありませんが、女性だから社内にこもって事務をやるという図式は当てはまりません。女性でもバリバリ営業に出ますし、支店長や課長クラスになってたくさんの部下をまとめますし、活躍の場は多いのでは?と思います。そこまで女性を働かせることができるのは、やはり産休や育休の体制が整っていること、時短勤務を認めていること等が要因ではないかと思います。都内にはオフィスに託児所を設けて、お子さん連れで出勤も可能な保険会社があるとか。また、仮に退職したとしてもそのキャリアを生かして、子育てが落ち着いた後に保険会社もしくは代理店にパート勤務しているという人もたくさんいます。保険の仕事をしたことがないという人でも働ける業界ではありますが、やはり経験者は採用される確率が高いですし、声がかかることも多いです。

余談ですが・・・

就職の際に、身内にその保険会社に勤務している人がいないかどうか確認をとられます。やはり身内が同じ会社にいるというのは、不正防止の目的もあるので厳しいようです。社内結婚をした時でも、同じフロアで仕事をしているのであれば、片方を人事異動させて違うフロアや建物に勤務させる等、どうしても身内を離そうとします。なので、季節外れの人事異動がたまに起こったりします。