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保険の未来

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昔の保険

昔、保険はどの会社で加入しても同じ補償内容・同じ保険料でした。しかし保険の自由化が始まると、各社補償内容やサービスに違いが生まれ、その結果保険料も異なるようになりました。また、10年前までは通販型自動車保険やペット保険等は今ほど知名度はなかったのに、最近では当たり前のようにCMがバンバン放送されています。時代の移り変わりとともに、保険も変わってきたのです。今回は、未来の保険はどうなるのか?個人的に思うことを皆様にお伝えしたいと思います。

未来の保険業界

このまま日本の少子高齢化が改善されない場合、日本の人口は減っていくと言われていますよね。人口が減るということは、保険に加入する総数が減るということです。人口が減れば家の数も減りますから、火災保険の件数も減ります。高齢化で免許を返納する人が増え、若い世代は貧困やカーシェアリングを理由に車を持たなくなる・・・これにより自動車保険も件数が減っていきますね。そう、保険業界はなくなることはないけれど、先細りが確実な業界なのです。契約者という少ない牌をたくさんの保険会社が奪い合うため、競争は激化するでしょう。国内ではビジネスチャンスが少ないからと、海外進出に力を入れる会社も増えていくかもしれません。且つ保険会社のシステムがレベルアップし、申込書が誰でも簡単に作成できる、計算も間違えることはないようなハイレベルなものになれば、社員の数が少なくてもシステムがそれを補ってくれるので、保険会社で働く人自体も減っていくことでしょう。

未来の自動車保険

自動運転で走行できるようになる自動車が普及すれば、自動車保険も変わらざるを得ないでしょう。自動運転が普及すれば、運転免許証のない人が運転席に座る可能性も出てきます。今は運転免許証がない人が被保険者になる時は、免許証の色はその他を選択するようになっています。リスク細分型自動車保険を売りにするのであれば、免許証の色その他を、更に自動運転の車に乗る人、乗らない人に分けないといけないのではないかと思います。また、最近高齢ドライバーが起こす事故が何かと話題になっていますね。免許については○歳になったら強制的に返還するというものではないので、90歳を超えても普通に運転している人がいます。被保険者年齢別の料率では、70歳以上のグループに分類されますが、あまりに高齢ドライバーの事故が続くと、これを80歳、90歳のグループに更に細分化することもあり得るのではないでしょうか?勿論これらの改定はすぐ決められるものではありませんし、色々な事故のデータを集めて分析してからなので、想像の範囲でしかないのですが・・・。やはり技術が進むとそれに合わせて自動車保険も変わっていかなければいけないのだと思います。自動運転だと事故が起きるリスクが一般車よりも低いので、保険料がとても安くなるいう改定になったら嬉しいですね。

契約者の責任が重たくなる?

コンビニエンスストアのローソンに「自転車向け保険」という保険のパンフレットが置いてありました。引受保険会社は三井住友海上で、店舗で加入するのではなく、契約者がパソコンやスマートフォンでHPにアクセスして加入する形式です。同じようなやり方で、海外旅行保険とゴルファー保険がラインナップされているようです。近年自転車の接触による事故が多くなっており、特に子育て世代の家庭には自転車事故の補償内容や賠償金は関心が高いはずです。これらのネットで加入する保険には、気軽に加入できるという点ではメリットがありますが、逆に言えば契約時に説明をよく読んでおかないといけない、契約者が自分で保険金額を決めなければいけない等契約者の責任が重くなるというデメリットがあります。勿論契約時の注意書きには「補償内容に関する説明をよく読みましたか?」「説明を読んで理解したならば、同意ボタンを押してください」といった表示が出るのだと思いますが・・・。皆さん、このようにネットで手続きする際の説明や同意ボタン、いちいちちゃんと読んでから同意していますか?私はそんな面倒なことしていません。とりあえず説明部分はスクロールして読んだことにして終わり、同意ボタンを押してさっさと次の画面に移ってしまいます。これって私だけでしょうか?いえ、結構な数の人がこのあたりを気楽に考えて、サクサク進めていると思います。だって、読んでも分からないし、字は細かいし、保険は大事だと思うけれども自分に事故が起きることなんてきっとないだろうと思ってるんですから。恐らく、このネット加入のラインナップは今後増えていくことでしょう。同じく三井住友海上が最近CMで宣伝している1DAY自動車保険(車を所有していない人が他人の車を借りて運転する時に加入する1日単位の自動車保険)のように、自動車保険であってもネットで簡単に加入できる時代です。バイクの自賠責保険だって、コンビニの端末で手続きすればすぐ証明書が貰えます。いつかはバイク以外も車種も簡単にコンビニで手続きできるようになるのかもしれません。そうなれば、代理店から保険の説明をしてもらうという機会がグッと減りますし、契約者にとっての代理店の存在意義が希薄になってしまうのではないでしょうか。少なくともこれからのネットで契約できる時代に備えて、契約者側も多少保険に関する知識をみにつけておかないと波に乗り遅れるかも!?

保険会社の合併

保険の歴史を見て行くと、色んな保険会社が合併を繰り返した結果今に至ることが分かります。昔からある保険会社の名前って長いのが多いですよね?三井住友海上、東京海上日動、あいおいニッセイ同和損保、明治安田生命等・・・。これらは単純に会社名をくっつけたものなので、前がどの会社だったか1発で分かりますね。ただ、損保ジャパンのように、安田火災、日産海上、大成海上が合併した会社であるものの、名前をガラリと変えてしまったものもあります。(今は損保ジャパン日本興亜になっていますけどね、こちらもとにかく長い・・・)合併によるメリットは契約件数が増えるので業界での地位が向上すること、保険料収入が多くなることでより多くの収益が見込めること、社員数が増えるので営業活動に人員を避けること、事故対応できる人数が増えるので、1件1件をより丁寧に、且つスピーディーに解決させられること、オフィスの合併により不動産コストが削減できること等色々あります。一方でデメリットとしてはシステム統合による不具合発生や混乱のリスク、代理店からの反発(一例としては、A社は嫌いだからB社の代理店をしているのに、なんで合併するんだ!みたいな内容です)、給与や昇給といった人事関連に関わる調整等があります。また組織が大きくなればなるほど、コンプライアンスについては厳しく取り締まりをしなければ、代理店や募集人の数が多すぎて目が届かないのをいいことに不正を働く輩が出るかもしれません。いずれにせよ保険会社が単独で生き延びるには厳しい時代です。今後も保険会社は合併、経営統合等して淘汰されていくことでしょう。通販型も例外ではないでしょう。もしかすると、既存のものよりも更に長い名前の保険会社が誕生するかもしれません。

最後に

ここに書いたことは数年後に起こることかもしれないし、30年後かもしれないし、もしかしたら起きないかもしれないし、本当に予想です。しかし、保険が果たす機能や役割については普遍的ですので、未来でもきっと契約者の役に立っていることでしょう。