保険まっぷ

分かりにくい保険用語

保険用語は難しい

保険をとっつきにくい印象にさせているのは、保険用語がとにかく漢字だらけであること、また約款や重要事項説明書等が小さい文字でビシッと何ページにも渡って書かれていることが要因ではないかと思います。勿論字面で意味が分かるものもありますよね。「死亡保険金」だったら亡くなった時に支払われるお金だということは誰でも予想がつくと思います。では「指定代理請求人」と聞いたら何のことだと思いますか?事故対応で「症状固定」という言葉を聞いたことはありませんか?漢字だけではその意味が分からないものがたくさんあります。今回は難しい、そして分かりにくい保険用語について説明していきます。

解約と解除は違います

解約には2種類あります。1つは、保険をかける対象がなくなったために契約を終了するものです。車が廃車になった、あるいは火事で家が燃えた等の場合は、保険をかけたくとも補償をするもの自体が存在しないのですから、そもそも契約を存続させることができませんよね。もう1つは、1度契約を中断し、同日付けで再加入するものです。例えば自動車保険で免許証の色ばブルーからゴールドに代わったので、保険料を安くするために敢えて1度保険を解約させ、補償が途切れないよう同じ日付でまた加入するような場合はこれに当てはまります。普通の解約と区別して、中途更新解約とも呼ばれます。そして、解約とは保険始期から解約日までの保険料をきちんと支払っていて初めて解約が成立します。口座支払いが浸透していなかった時代は、解約の時点で未払い保険料があった場合、解約と同時に不足分を集金していましたが、今は口座を始めクレジットカード払い等あらゆるキャッシュレス決済が進化しており、解約の手続きを先行させ、支払いは後でもOKという流れになりました。ちなみにこの保険料の支払いを無視していると、解約ではなく保険料未入金による強制解除という扱いに変わります。正直火災保険や傷害保険では保険料未入金で解除になってもデメリットはないのですが、自動車保険だけはメリット等級(7等級以上)の割引率がなくなり、再契約する時は新たに6等級からスタートとなります。解除前と解除後、同じ代理店で加入するならばトラブルはないでしょうが、もし代理店を変えるのであれば要注意です!本当は解約なのに解除と伝えてしまうと、「この人保険料支払ってなかったの!?」とあらぬ誤解を受けることとなります。代理店側だってお金の支払いがだらしない人はできれば避けたいですからね、ヘタをすると加入を断られるかも。勘違いで自分自身の価値を下げることはやめましょう。逆に、本当は解除なのに解約と伝えてしまうと「前契約の等級は?」という話になるはずです。本来6等級なのに誤って20等級で契約したなんてことになれば、等級訂正&保険料変更で2倍近く保険料が跳ね上がるかもしれません。解約と解除、契約を止めているんだから同じことでしょ?と思っていると、大きな間違いですよ。

自動付帯の特約に注意

保険の特約には、「自動付帯」と「任意付帯」の2種類があります。自動付帯は良く言えば「あらかじめ用意されているサービス」、悪く言えば「不要なのに付いてくるサービス」です。任意付帯は、自分でその特約をつけるかどうか決められるものです。保険のプランを選ぶ時に、特約があるパターンとないパターンで見積もりを出して比べることがあるのですが、あれは任意付帯の特約についてどうするかを決めているのです。パンフレットを見ると、どの特約が自動付帯でどの特約が任意付帯なのかは表記があるはずです。(分かりにくい、分かりやすいかは別として・・・)保険料を節約するために特約なんて無くてもOK!と代理店に頼んでも、自動付帯のものは残念ながら外せませんし、保険料に組み込まれてしまっています。よく自動車保険のCMで「ロードサービスは無料です!」と宣伝されていますが、あれはロードサービス自体が自動付帯なので、あらかじめ保険料に組み込まれているだけの話です。正しくはロードサービスにかかるお金は保険料に含まれており、事故で利用することになったらあらかじめ貰っている保険料の中から保険会社が支払いするよ、という話です。要するに強制加入しているようなものですから、物は言い様ですね。

新価、時価、保険金額

保険にはお金に関する言葉がたくさん出てきます。その中でも関わりがありそうな「新価」「時価」「保険金額」の3つについて火災保険を例に説明します。新価は、新たに購入する際かかるお金のことです。火災保険で建物を保険の目的とする場合に、「この家を新たに建てるとすればいくらかかるか」という基準で契約内容を考えるとしたら、それは新価の考え方です。新築の家であれば建築金額=新価であり非常に分かりやすいのですが、建築してから一定の年数を経ているならば当時の建築価格と物価係数から新価を割り出す必要があります。一方で時価とは、現在の価値です。時価で火災保険を契約すると、保険金額では建物が完全に復旧しない場合があります。それはそうですよね。金額としては新価の方が高いわけですから、その分保険料も高いのです。時価での契約は保険料が安い代わりに、事故の補償も不十分になる可能性を含めています。保険金は、契約した金額、すなわち保険金額がベースになります。新価3000万円、時価2000万円の建物に、いくらの保険金額を設定するかは契約者の自由です。ただし、目先の保険料の安さにとらわれて時価で契約すると、後で泣きを見るかもしれないですね。勿論時価で契約することが禁止されているわけではありませんし、状況によっては時価で契約する方が好ましい建物もあるのかもしれません。金額が示す意味を理解し、自分に必要な価格はどれかを認識する目を持ちましょう。

補足

最後に、冒頭の3つの言葉について補足します。まず「指定代理請求人」ですが、これは生命保険で出てきます。契約者に代わり保険金を請求する人をしていすることを言います。何でわざわざ?自分で請求するよ?と思われた方、ご自身ががんになった時を想像してみて下さい。がん(他の病気もありえますが)は本人には告知されないこともある病気です。本人ががんであることを知らなかったら勿論保険金請求はありませんし、がん保険の診断給付金も貰えません。しかし家族が告知を受けた場合、本人に知られずに保険金を請求し、そのお金を治療費に充てることができるのです。特約というとお金がかかるイメージがあるのですが、これは申込書に代理人の名前を書くだけで特にお金は発生しませんが、名称は特約になっています。次に「症状固定」ですが、これは怪我は完治していないけれど、これ以上症状がよくなる見込みがない状態を指します。ただし、怪我をした本人にしてみれば時間をかけてでも完治させたい、後遺症がない元の状態に戻したいと思うのが本音かと思います。症状固定は保険会社が判断するものではなく、医師の判断によるものですが、症状固定の結果に納得いかず揉めるケースが多少なりともあります。交通事故で治療が長引いたりすると、この言葉がよく出てきます。勿論全てのケースが揉め事に発展するわけではないので、怖がらないで下さいね。いずれにせよ、契約段階だけではなく事故を起こしてからも知らない言葉だらけで、頭の中には「?」がいっぱいになると思います。しかし、知ったかぶりをする必要はありません。保険会社側もお客様が詳しい知識を持っているとは思っていませんから、出来る限り噛み砕いた言い方をしてくれるはずです。逆に知ったかぶりや勘違いをしたままの方が怖いです。「聞くは一時の恥」ですから、分からない言葉はどんどん聞きましょう。