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トンチン性を高めた商品は大丈夫なのか

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トンチン性を高めて年金を充実

最近の生命保険や個人年金商品の説明の中に「トンチン性を高めて年金を充実」といった文章が多く出現するようになってきたように思います。
あとにまた書いておきますが、トンチン性という考え方は昔からあります。最近見かけることが多くはなってきたものの、近年発見、発明されたものではありません。
ぶっちゃけ世の中の景気が良くて、いけいけドンドンで金利が良ければ、トンチンなど持ち出さなくたっていいんです。
言い方を変えるとトンチン性でも取り入れておかないと年金がショボク見えて、商品としての魅力が劣って見えちゃうからしょうがないとも言えます。少し玉虫色にした文章にすると、トンチン性を高めて年金を充実ということですね。
加えて、トンチン性が魅力のネタに使えるようになった要因として、人生100年時代の到来です。
長生きすればするほど得をするトンチン年金、トンチン性の高い商品は、「長生きリスク」が高くなっている現代だからこそ、魅力的に見えるとも言えるでしょう。
しかし、トンチン性をウリにした商品は大丈夫なんでしょうか?保険マップの管理人が、私見を記しておきます

説明の十分/不十分を決めるのは誰

最初に書いておきますが、トンチン性をウリにする商品説明で、保険会社がウソをついているなどとは管理人は思っていませんし、そんな主張をするつもりもありません。
まあ、認可特定保険業者向けの総合的な監督指針 II 認可特定保険業者の監督にあたっての評価項目 II-3 業務の適切性 II-3-5 利用者の保護等 改正法附則第4条第1項及び第2項において読み替えて準用する法第100条の2に規定する業務運営に関する措置等、つまり、「トンチン性の高い商品については、認可特定保険業者が利用者に対して、その商品特性について十分説明を行うための体制が整備されているか」の件については、どうなんだろうなぁ十分なのかなぁ・・・と思えてしまう商品もある・・・・というところでしょうかね。
ウソはついてないけど、聞かれないので、書いてません、黙ってますという印象なんですよね。
こういう「十分」とかいうのは、絶対的な、定量的な基準じゃないですからね。それで十分かどうかは、最終的には、金融庁がジャッジすることです。管理人が「不十分」じゃないの?と思っても、金融庁が「十分」といえば十分なんですw
逆に保険会社が「十分」と主張していても、金融庁が「不十分」とジャッジすれば、いろいろと行政処分に繋がってしまうわけなんですけどね。悲しいかな、監督官庁が動いてくれるのは、社会的にそれなりの問題になったり、事件、事故が起きてからになるのはしょうがないことでしょう。逆に、何もおきてないのに、指導だ、処分だを連発するとなると、それは違う問題ですよね

トンチンって何?美味しいの?まだ食べたこと(ry

さてトンチンです。言葉のもとは、人名です。地名ではなく、ましてや食べ物でもありません。
もとになった人は、17世紀のイタリア人銀行家のロレンツォ・トンチですが、Lorenzo Dongchi、Lorenzo Tongchiという感じでしょうか。管理人は、イタリア語は、詳しくありませんので、深入りはやめておきます。

17世紀のイタリアは、イタリア戦争(1494-1559)の終結後の経済危機、弱体化の流れの中にありました。文化的な先進国からの凋落して、あまりいいところのない時代といっていいでしょう。ガリレオガリレイの死も17Cです。イタリア戦争は中世と近世の区切りとなっているのですが、ことイタリアについては、なんだか中性的な暗さというか、どんどん悪くなっているような、そんな時代じゃないだろうかと思えます。

そんな時代の中で、銀行家のロレンツォ・トンチが考えたのがトンチン年金です。管理人は、これ、トンチン年金の仕組み、時代背景を考えると、すごいなぁ・・とつくづく思うんです。
同世代の者たちで掛け金を出し合って、その基金の運用益を生きている人だけで分けるのがトンチン年金。長生きすればするほど得をする仕掛け。これを生きていくだけでも辛かったであろう時代の中で考えたロレンツォ・トンチ。まあ逆に、将来に明るいネタが見つからないからこそ、長生きすれば得になる仕掛けを考えたのかもしれませんけどね。

トンチン性とは

トンチンが人名からきていることは明らかなのですが、トンチン性とはなんでしょう。
勿論、ロレンツォ・トンチにどれだけ似ているかの割合ではありません。それはそれで面白いんですけどね。
トンチン性というのは、死んだ人の持分が生存者に移ることで、生きている人がより多くの給付を受け取る割合部分のことをトンチン性といってます。トンチン性が高いとは、生存者の利益部分の割合が高い、すなわち早く死んだ人の取り分の割合が少なくなるわけです。

つまり寿命をネタにした究極の博打

日本では、本来のロレンツォ・トンチが考案したトンチン保険、トンチン年金は、管理人が知る限りですが、今日現在は販売されていません。
が、トンチン性を高めた保険商品なら、販売する保険会社が増えてきました。
とにかく本人が亡くなるまで年金が約束されているため、一定年齢以上長生きするほど得になるというのが、商品としての最大魅力であると同時に、年金を受取前に亡くなった場合は、払い込んだ保険料総額を大きく割った分しか、遺族には戻ってこないことになります。

けっこう射幸性の高い商品、博打に近いものだというのは伝わりましたか?
だからこそ、先にも書きましたが、認可特定保険業者向けの総合的な監督指針 II 認可特定保険業者の監督にあたっての評価項目 II-3 業務の適切性 II-3-5 利用者の保護等 改正法附則第4条第1項及び第2項において読み替えて準用する法第100条の2に規定する業務運営に関する措置等、つまり、「トンチン性の高い商品については、認可特定保険業者が利用者に対して、その商品特性について十分説明を行うための体制が整備されているか」が問題になるんです。

考えようです。
「ぼくは死にましぇん」100歳まで生きますという人は、できるだけトンチン性の高い商品を選ぶべきでしょう。
あるいは、残すべき人がいない人、自分一人の身のことだけを考えればいいのであれば、早く死んでも、ダメージはゼロです。受け取る金額をが減ろうが関係ありませんからね。一人で長生きしてしまった時のリスクに備えるののは、トンチン性の高い商品は向いているでしょう。

でも、残すべき、あるいは残してやりたいと思える人がいる。配偶者なり子供なりがいる。人は、慎重に考えたほうがいいように思います。いろいろと資産目録なりなんなり、棚卸しをして考えてから・・・てことでしょうね。