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自動車ディーラーが保険を売る理由

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代理店ってこんなにあるんです!

お客様に保険を販売する保険代理店には、色々な種類があります。まずは、保険料の見積もりやご提案、契約締結等保険に関する業務を唯一の仕事とするプロの代理店さん。住宅の購入者や賃貸住宅の入居者に火災保険を案内する不動産業兼務の代理店さん。住宅やリフォーム等で資金を借り入れをしたお客様に対して火災保険を案内する、銀行や信用金庫といった金融機関。従業員に対して保険を販売する、企業内の総務や保険課さんも代理店さんです。そんなたくさん種類のある代理店さんの中でも、今回はディーラー代理店さんに注目したいと思います。ディーラーといえば車の販売や修理等をメイン業務としているというのは、皆さんご存知だと思います。しかし、ディーラーの営業の方は、車の販売だけではなく、保険の販売も行っており多くの契約を獲得することに重点を置いています。それは何故でしょうか?今回は、ディーラー代理店さんと保険会社の関わりついてお話していきます。

ディーラーの利益って?

ディーラーの利益って何かご存知ですか?最初に思いつくのは、車を売った時の利益ですよね。でも、ディーラーは車を売るだけが仕事ではありません。車と一緒にカーナビやアクセサリー等の付属品を販売しますし、車検や修理と行ったアフターサービスも行います。しかし、もう1つ利益になるものがあります。それが、保険です。何故保険が自動車会社の利益になるのでしょうか。その理由は、保険を成約すると保険会社が代理店に支払う手数料(代理店手数料)が貰えるからです。ディーラーの規模や実績にも因って手数料のパーセンテージは様々ですが、獲得した合計保険料に対して20%前後の代理店手数料が支払われています。毎月1万円ずつの自動車保険があれば、年間で12万円ですから、代理店の取り分は24,000円ですね。保険の見積もりや申込書の作成、契約内容の説明に多少時間はとられるものの、頑張れば頑張った分だけそれが会社全体の利益に繋がるのです。よってディーラーでは、保険を成約した営業マンに新規契約なら5%、更新契約なら3%といったふうにマージンを設定し、営業マンの士気を高める制度を構築しています。(数字はあくまで一例です)

ディーラーが保険を販売するメリット

ディーラーが自動車保険を販売する理由は、代理店手数料やマージンのためだけではありません。顧客が交通事故を起こした際、事故の連絡は保険会社と代理店に来ますから、そこでディーラーは自社の工場で車を修理するよう誘導することができるのです。自社の工場で修理をすれば修理費が貰えるし、仮に車を修理しないで買い換えるという場合には誰よりも早くお客様に新車のご提案ができるわけです。ちなみにディーラーがお客様におすすめする特約は、「車両新価特約」です。これは、契約の車が全損(修復できない状態になること)になった、もしくは修理費が新車価格に相当する金額の50%以上となった場合に、新しく車を買い替える費用を保険金として支払うというものです。分かりやすく言えば、保険金を支払うから新しい車を買って下さい!ということです。この特約があれば、車を買い替える費用がないからと廃車にしてしまったり、どうにか修理して乗り続けたりということをしなくても済みます。ディーラーにとっても、お客様に新しい車を進める商談のチャンスになります。しかも、それで成約になったら儲け物ですよね。ディーラーの営業マンは月に○台売るという目標が設定されているので、事故に遭われたとはいえお客様に新しい車を買って頂けるというのは嬉しい話なのです。車両新価特約は初度登録から○ヶ月以内の車に付けられるといった保険会社ごとに細かいルールがありますので、残念ながら全ての自動車が対象になるわけではありません。しかし新車で買った車であれば必ずディーラーはこの特約をおすすめしてくると思いますので、車を購入予定の方は是非チェックしてみて下さい。

ディーラー代理店で加入するメリット

ディーラーが代理店であると、お客様にもメリットがあります。まず、ディーラーの営業日です。週に1回平日に定休日があるものの、それ以外は常に営業日ですから事故が遭ってもすぐ車両の引き取り等を対応してくれます。一般の代理店には土日が休みという代理店が多いですから、いざという時に連絡の取りやすいディーラーが好まれます。また、ディーラーだけが販売している自動車保険というものがあり、それだと一般の方より少し安い保険料で加入することができるのです。「そんなことできるの!?」と思った方もいるでしょう。実は、ある一定の条件を満たせばそんなお得な保険の入り方が存在するのです。その方法は、次のテーマでお話しましょう。

クレジット型一体保険

日本が誇る自動車メーカー、トヨタで販売している保険の中に「クレジット一体型保険」というものがあります。これは、トヨタファイナンスのクレジットで車を購入した人だけが加入できる特別な保険です。保険の契約は通常1年毎に更新するものですが、期間をクレジットにあわせて2年、3年と長期化し、且つ契約期間中の保険料を定額にしています。1度契約すれば更新手続きは不要、事故に遭っても期間中は保険料が変わることなし、しかも保険料がちょっとお得になると良いことづくしなのです。保険に安く加入すると言えば、通販系自動車保険を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし通販系自動車保険は保険期間が1年のみを販売している会社が多く、毎年自分で更新手続きを行わないといけません。勿論事故があれば等級が下がるので保険料は上がりますし、事故に遭った際も代理店がいないので、気軽に事故の相談ができる相手もいません。事故の際に、気軽に相談できる車のプロや保険のプロを作っておくというメリットからも、安易に通販系自動車保険を選ぶのではなく、このような制度を活用して安く自動車保険に加入するというのも1つの選択肢ではないでしょうか。

ディーラー代理店で加入するデメリット

ディーラー代理店で加入するメリットは前述の通りですが、物事には何でも良し悪しがあるものですから、一応デメリットについても紹介します。まず、お客様側が加入したい保険と、ディーラーが売りたい保険にはミスマッチがあるということです。ディーラーが保険を販売するためには、その保険会社と販売委託契約を結んでいなければなりません。よってお客様から「A社の保険に加入したいから見積もりを作って」と言っても、そのディーラーとA社が提携していない場合は販売はおろか見積もりさえ手に入れられないというわけです。また、仮に保険会社とディーラーが提携していたとしても、ディーラー側の戦略で本店はB社の保険を販売するけれど、駅前支店はC社の保険を販売するといった取り決めがあったりします。よって車を購入するお店が違うと、勧められる保険が変わってくるといったことが存在します。また、ディーラーが薦める長期契約は、毎年の更新手続きが不要で事故が遭っても保険料が変わらないというのが売りなのですが、保険に改定(サービスの内容を新しく変えること)があった場合は、古い保険のまま次の更新まで加入し続けることになります。勿論既存の契約を解約して、新しく加入し直せば最新のサービスを受けられるのですが、途中で解約すると等級の進行が遅れてしまうというデメリットがあります。

ディーラー代理店と保険

色々書きましたが、お伝えしたかったことは、ディーラーにとって保険とはお客様とのパイプを強くするための一種のツールであるということです。どの代理店で加入するかは自分の考えで決めるべきものだと思いますから、ディラー代理店が良い・悪い等とお勧めするつもりはありません。しかし、この記事を読んだ方が、新しい視点を持ったり、情報を上手く活用して納得のいく保険に加入したりして頂ければ幸いです。

By A子 2015/2