保険まっぷ

実は私達の生活と密着 賠償責任保険

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賠償責任保険とは?

「賠償責任保険」と聞くと、漢字ばかり6文字もありますから、難しい保険のようなイメージが浮かびますよね。ですが、賠償責任保険は意外と私達の生活に身近な保険なのです。例えば、自動車保険を契約している方であれば、「対人賠償責任保険」あるいは「対物賠償責任保険」という言葉に聞き覚えはありませんか?交通事故を起こしてしまった時に、相手を怪我させてしまった、相手の所有物を壊してしまった、という場合に役立つ補償ですよね。この補償を契約しておけば、怪我の治療費だったり、壊れてしまったものの修理費等は保険金で支払ってもらえます。また、小さいお子さんを子育て中のお母さんでしたら「子供が遊んでいる時に、お友達を怪我させたらどうしよう」とか「買い物中にお店の商品を落として弁償するように言われたらどうしよう」とか思ったことはありませんか?そんな時も、もし個人で賠償責任に関する保険(あるいは特約)に加入していれば、自己負担することなく保険で補償してもらえることをご存知でしたか?このように実は私達の生活に密着しているけれども、あまり知られていない保険「賠償責任保険」についてその内容や具体的な事故例について紹介していきたいと思います。

個人の賠償

自動車保険の対人賠償と対物賠償は、あくまで自動車事故が原因の損害を補償するものです。日常生活を原因とする損害、例えば飼っている犬が散歩中に近所の子供に噛み付いて怪我をさせてしまった、通行中に他人の車に荷物をぶつけてしまって車が傷ついた、のような事故は対象外です。これを補償するためには「個人賠償責任補償」に加入する必要があります。ただ、この個人賠償責任補償は単独ではあまり販売されておらず、自動車保険や火災保険の特約という形で加入するケースが多いです。家族の中で1人でも契約していれば、その配偶者や子供も自動的に補償されます。家族皆で加入しても保険料の無駄(とはいえ保険料は1月あたり100円くらいなのですが・・・)になりますので、ご主人の自動車保険の契約につけておけば大丈夫です。注意して頂きたいのは、保険はあくまで偶然な事故を補償するものであって、保険金が欲しいためにわざと事故を起こしたような場合は、勿論支払い対象外です。また、保険でいう賠償とは第三者へ支払われるお金のことを言います。先ほどの例で言いますと、飼っている犬が噛み付いたのが自分の配偶者だったり、通行中に傷をつけたのが自宅の車であればそれは他人・他人の物とは言えないのです。一般常識で言うと「他人=自分以外の人」なのですが、保険で言うと「他人=家族以外の人」と考える場合がありますので、その違いを理解しておかなくてはいけません。

大家さんへの賠償

賃貸住宅に入居している方で、入居時に火災保険に加入しておくよう言われた経験のある方はいませんか?恐らくその時加入した保険には、「借家人賠償責任補償」という特約が付帯されていると思います。これは、火事で部屋を燃やしてしまう等の事故が起こった際、部屋の借主が大家さんへ負った賠償責任について補償をしてくれるものです。部屋が燃えてしまうと、壁紙を貼り直さなければいけないとか、フローリングを修繕しなければいけないとか、何かと費用がかかりますよね。この費用は勿論大家さんが負担するものではなく、火事を起こしてしまった借主が負担するものです。保険があれば借主は保険金で支払ってもらえるので金銭的負担はありませんし、大家さんも保険金で修繕してもらえるので、借主にお金がないので修理してもらえないといったトラブルを回避することができるのです。もし火災保険に入ったはいいけれども、借家人賠償責任補償には入っていなかったという方がいれば、今すぐ保険の内容を変更して下さい。借家人賠償責任補償は火事だけではなくガス爆発や空き巣等の偶然な事故による損害でも保険金の支払い対象になります。事故発生時に大家さんとトラブルにならないためにも、加入しておくことをおすすめします。

飲食店が加入する賠償責任保険

賠償責任保険の種類に、「施設賠償責任保険」というものがあります。これは業務の遂行中に第三者に損害を与えてしまった場合に補償をする保険です。とても分かりやすく言うと、レストランで店員がお客様にコーヒーを運ぶという業務を行った結果、転んでしまってお客様にその熱いコーヒーをかけてしまい火傷を負わせてしまった(損害)というような事故です。雨の日で床が濡れて滑りやすくなっていたかもしれないし、すれ違った人を避けようとしてぶつかったのかもしれないし、理由は色々考えれるでしょう。しかし、レストランやファストフード店等の飲食店では起こりうる事故です。いざこのような事故があった時でもお客様の治療費や衣服等を弁償できるよう、お店側が加入するのがこの施設賠償責任保険です。また、飲食店でしたら、その飲食店で食べたものが原因で食中毒になる危険性もありますよね?勿論食中毒が発生しないようお店側は衛生面にしっかり気を配っていることと思います。しかし可能性がゼロではないと言い切ることは出来ません。そこで「生産物賠償責任保険」というものに加入します。これは作ったものが第三者に損害を与えてしまった場合に保険金を支払うものです。飲食店の場合、生産物とは飲食店が提供する食事や飲み物のことであり、損害とは食中毒や治療費等を指します。

種類が多い賠償責任保険

飲食店を例に2つの種類の賠償責任保険を説明しましたが、職種によって加入する賠償責任保険は違います。運送業者でしたらお客様に作ったものを渡すということはありませんので、生産物賠償責任保険は不要です。必要なのは、お客様から預かった荷物を届けている間に壊してしまった場合に補償してくれる保険です。ちなみにこの場合は、「運送業者賠償責任保険」という専用の保険があります。他にも専門業者向けの賠償責任保険というものがあり、駐車場や修理工場等車を預かることを仕事とする業者が、車を預かっている最中に盗まれたり壊されたりした場合に補償する「自動車管理賠償責任保険」、医療行為の結果患者に麻痺や障害が残り損害賠償を請求された時に補償する「医師賠償責任保険」等があります。賠償責任保険はあらゆる仕事の現場に関ってくる保険です。とはいえ、賠償責任保険は企業だけが関るものというわけではありません。PTAのような団体でバザーや屋台を出す時は、来場者がイベント会場内で怪我をしないか、提供した食品で体調を崩さないか等配慮しておく必要があります。主催者側の立場になって考えてみると、賠償責任保険の必要性が分かるのかもしれませんね。

賠償責任保険に加入しよう

個人、企業に関らず、自分が加害者側になることを想定した上で、保険を準備しておく必要があります。何でも「お金で弁償すれば良い」というわけではありませんが、相手方に誠意を見せるためにある程度のお金が必要なことも確かです。企業では社内の担当者が既に必要な保険を手配していると思いますが、各家庭ではどうでしょうか?もし加入していないということでしたら、保険の見直しの際に代理店や保険の営業マンに相談されると良いでしょう。自動車保険の補償でしたら対人賠償と対物賠償には無制限という保険金額で設定することが出来るのですが、個人賠償責任補償特約でしたら国内で発生した事故は無制限で、国外で起きた事故は1億円まで等、あらかじめ保険金額がパターン化されているものが殆どです。また通販系自動車保険では個人賠償責任補償特約はあまり販売されていませんので注意して下さい。どうしても加入したいという場合は、三井住友海上や東京海上日動等代理店経由で加入する保険会社の自動車保険だと確実に加入できますので、問い合わせしてみてください。

By A子 2015/2