代理店の存在意義
貴方が加入している保険の代理店さんは、どんな代理店さんですか?どうしてその代理店さんで契約しようと思ったのですか?こう聞かれたら何と答えますか?例えば保険のことなら何でも相談に乗ってくれる、事故の時アドバイスをしてくれる、昔からの顔なじみ、親戚からの紹介等、理由は色々あると思います。今は保険料を節約するという動機から代理店を通さない通販型自動車保険に加入する人が多くなっています。しかし、保険や事故に関する知識がないのであれば、通販型自動車保険に加入することはおすすめしません。代理店は保険料を計算するだけではなく、自分に合った補償をコンサルティングしてくれたり、事故に遭った際にアドバイスをしてくれたり、場合によっては保険会社と交渉の窓口になってくれるいわば貴方の味方なのです。そして、同じ保険料を支払うのであれば、良いサービスを受けられる代理店で加入したいと思いませんか?そこで、良い代理店と悪い代理店の見分け方についてポイントをお伝えします。
保険会社イチ押しの代理店さんを選ぶ
代理店は保有している契約の数、代理店内の組織体制、営業スタイルの品質、事故対応のレベル等様々な条件を元に、代理店のランク付けをしています。保険会社から高いランクに認定されている代理店は、名刺や代理店が開設しているHPにその名称が記載されていることがあります。例えば、東京海上日動であれば、TOP QUALITY 代理店という名称の代理店がそうです。TOP QUALITY代理店での見積もりを希望する場合は、東京海上日動火災のHPから代理店を検索すれば、最寄の代理店を探すことができます。三井住友海上であれば、プロ新特級代理店という名称の代理店がこれにあたります。更に、AAA・AA・A+・Aの4段階に分けて評価をしています。プロ新特級AAA代理店という表記があれば、それは三井住友海上が太鼓判を押す素晴らしい代理店だということです。ランク付けは、AIU保険会社にもあります。AIUには顧客満足度の高いサービスができる代理店をプロフェッショナル代理店として認定しているのですが、その中でもMAとHQの2種類があります。MAとはAIUのプロフェッショナル代理店の中でも、特に優れた代理店であるAIU Model Agencyの略です。もう1つのHQとは、MAのレベルには達していないものの、高水準のサービスが期待できるHigh Qualityの略です。名刺を貰った際には、担当者の名前だけではなくて、このような表記の有無を確認すると良い代理店に巡り会えるかもしれません。
お客様の言うことをきく=良い代理店ではない
保険の募集とは、常にルールを守って行われるべきものです。圧力募集(契約しないと帰らせないぞと脅すこと)を行ってはいけない、保険の重要事項(保険金が支払われる場合、支払われない場合等)について説明義務を果たす、代筆や代印を行ってはいけない等、書ききれない程のルールがあるのです。例えば、貴方が自動車保険の更新が間近に迫っていたとして、代理店から更新の手続きを行いたいので会いたいという連絡があったとします。でも、貴方は仕事で忙しくてなかなか会える時間が取れそうもない。そこで貴方が言います。「忙しいから、代わりにサインしておいてくれる?」と。この言葉に対して代理店がどのように反応するかで、良い代理店か悪い代理店か見抜くことができます。良い代理店であれば「代筆行為は認められていないので、直接お会いしたいです」「忙しくて時間がとれないようなら、電話で更新の手続きも出来ますので、お時間とれませんか?」と言ってくるはずです。逆に悪い代理店であれば「分かりました!サインしておきますね!」と、さっさと手続きを終わらせてしまうことでしょう。確かに忙しい人にとっては、後者の方が都合が良い代理店です。しかし、契約者が了承しているからといって代筆したり勝手に契約手続きをしてしまうのは、保険販売に際しては許されない行為です。保険に関しては、更新以外でも、ちょっと手続きが面倒だなあと思うこともあるかもしれません。しかし、それは代理店がルールを守って契約しようとしているからこそ起こるものですから、ちょっとの間だけお付き合いしてあげて下さい。
複数の保険を扱っている代理店は良い代理店なのか?
代理店には、1社だけの保険を販売する代理店と、いくつもの保険会社の保険を販売する代理店と、大きく分けて2種類あります。前者であれば、他社の商品と比較することができません。後者であれば、他社の商品と比較することができるので、保険料が安い方を選ぶですとか、補償内容が優れているものを選ぶですとか選択肢が色々あります。ですが、販売している保険会社の数が多ければ多いほど良いというものではありません。自動車保険とひと口に言っても、保険会社によってサービス内容は異なってきますから、販売する側はその違いを理解していなくてはなりません。違いが分かっていなければ、お客様に誤った説明をしてしまうリスクがあります。誤った説明は、いざ事故が発生した時に思わぬトラブルを招くこともあります。よって、1社のみ販売している代理店の方が、そもそも比べるものがないのですから他の保険会社の商品と混同したりというリスクは少ないでしょう。勿論、どの保険会社の商品であってもそのメリット・デメリットをすらすら言えるような自動車保険のプロもいることでしょう。なので、一概に販売している保険会社の数だけでは、良し悪しを決めるべきではありません。
個人の代理店さんはどうなの?
代理店さんの中には、事務所に所属せず、1人で募集から事故対応までをこなされている代理店さんがいます。代理店は絶対複数ではなきゃ駄目というルールはありませんので、1人で対応することに問題はないのですが、やはり1人では限界があります。自分が事故に遭った時、代理店さんが地方に行って連絡がつかなかったり、代理店さん自身が病気や怪我で入院されてしまったりといったリスクが内在します。勿論、保険の契約内容変更や事故受付に関しては、保険会社のフリーダイヤルで受付してくれるのですが、初対面の人にあれこれ言うのは嫌、慣れ親しんだ代理店さんと話したいという人がいるのもまた事実です。手厚いサービスを求めるのであれば、複数のメンバーが働いている代理店を選んだ方が良いのではないでしょうか。それなら、仮に担当者がいなくても別の担当者が話を聞いてくれたり、代わって対応してくれる場合がありますからね。余談ですが、私は1人で経営されている代理店さんが急に亡くなってしまい、その代理店さんが担当されていた契約をまとめて他の代理店さんに受け継いで頂いたという事例を経験したことがあります。間近に更新を控えられたお客様は、「更新の連絡が来ないので不安だった」と仰っていたので、やはり確実に連絡の取れる代理店さんの方が安心できるのではないかと思います。
代理店の選び方
代理店さんに何を求めるかは、人によって違います。安い保険料を提案してくれる人、事故があったらすぐかけつけてくれる人、しつこい営業をしない人、様々あるでしょう。必要なことは、これらの情報を踏まえた上で、自分がどんな代理店さんと契約したいかを決めておくことです。人の真似をしても、良いことはありません。他人が良い代理店さんだと思っても、それが貴方にとって良い代理店さんであるとは限らないからです。この文章が、皆様の求めている代理店さんに出会えるきっかけとなるよう祈念いたします。