保険まっぷ

保険会社社員とノルマ

保険にノルマはつきもの?

保険の営業というと、「ノルマが厳しい」「ノルマを達成しないと責められる」といったネガティブなイメージを持つ人がいるでしょう。実際募集を行っている代理店の中には、「今月新規契約○件目標」と掲げているところもあります。しかし保険に限らずディーラー営業だって携帯電話の販売だって、達成しなければいけない目標を決めて動いているわけですから、とかく保険だけが厳しいというわけではありません。さらに言えば、代理店に販売を委託している保険会社社員にとっての目標は、代理店との目標とは若干異なります。(大筋は同じ方向を向いていますがね)では、今回は保険会社社員が課せられるノルマや目標についてお話していきます。

保険会社社員の目標とは?

保険会社の社員は、所属部署によって課せられる目標が全く異なります。例えば営業に所属するのであればより多くの契約を獲得することが目標ですし、事故受付でしたら円満な事故解決を目指すこと(早期に解決することもある程度必要だが、なるべく被害者加害者双方にとってベストな解決ができるように、との意味です)が目標です。一方で所属部門に限らず社員として課せられる共通の目標もありますが、これは後述します。ちなみに私はかつて営業に所属しておりました。年初に「今年の目標は(保険料収入で)前年比△△△%」等目標が掲げられるので、基本はそれを達成できるように動きます。年間目標を105%と考えると、それを達成するには毎月の目標を105%にして達成し続ければ良いわけです。よって毎月月初は恒例行事として担当する代理店の「今月の新規見込みは○件、更新契約は○件の予定」と件数と保険料の合計を上司に報告するという業務がありました。ディーラー担当だと自賠責と自動車のみですが、取り扱い種目の多いプロ代理店を担当すると火災、傷害、賠償責任等も含めてデータを集め、分析し、報告となるので大変です。また、保険は契約によってプラスになるものだけではなく、解約や契約解除によってマイナスになるものも存在しますから、その分析も必要です。全体像を把握し、では今月はどの程度上積みが必要なのか営業担当が集まって打ち合わせし、調整していくのです。それぞれが課せられた目標の数値をもとにして、担当者はどの代理店にどれくらい頑張ってもらうかを決めます。もし大口の契約がありそうならば、他の代理店のフォローを他の社員に任せ、それにかかりきりになることもあります。乗合代理店が保有している他社の契約を、自社に切り替えてもらう戦略もとります。時には企業の倒産等で大口契約が更新されなかったり解除になったりして、予定していた保険料が見込めない時もあります。紆余曲折を繰り返し、とにかく年間目標を達成することが最大のミッションです。目標に対して自分がどれだけ頑張って成果を上げたかによって、社員の評価が決まります。やはり大きな成果を上げると翌年には昇給、昇進が期待されますし、目標を掲げたもののあまり成果が達成できなかったとなれば人事からは評価されません。保険会社の社員が毎日人事の評価を意識して仕事をしているわけではありませんが、成果を出せば自らの株が上がることに間違いはありませんので、1つのモチベーションになっているとは思います。

営業成績以外の目標もある

では、営業担当以外の人はどんな目標をモチベーションにしているのでしょうか?例えば事故担当者であれば、事故解決後に送るお客様向けアンケートで良い評価を貰うのが1つの目標だったりします。また営業部門で事務をしている担当者であれば、代理店の事務の品質向上をキーワードに、提出される書類の不備を減らす努力をしたり、早期更新を推進する等、直接営業成績には関連しない事柄を目標にしたりします。実際私のいた会社でも、現金払いから口座振替への切り替えを推進した時期には、「キャッシュレス契約推進のお願い」として代理店向けに依頼の手紙を出したり、キャンペーンをしてみたり等色々アクションを起こしたものです。これらは目に見えて成果が上がるものではなく、地道な作業の結果成果が上がるタイプのものですから、毎日「不満のアンケートが届いているぞ!」とか「○○代理店で成果が上がっていない!」のように注意をされるわけではありません。毎日注意されないからといってサボっていると後々厳しい評価を下されるわけですから、やはり日々意識して取り組むことが必要になります。

本業協力

契約者や代理店との円滑な関係を維持するために、社員が身銭を切ることもあります。例えば契約者に製菓メーカーがいれば、クリスマス時期はクリスマスケーキの販売を依頼されますから、保険会社の社員でありながら社内や知人にケーキの宣伝をします。(この慣習ゆえ、上司は「自分の家にはクリスマスケーキを買う店を選ぶ自由がないんだ」と嘆いておりました)また代理店が旅行代理店であれば、会社の出張の時に航空券の手配を頼んだり、自分自身の休暇や帰省の際にチケットを頼んだりする等、ビジネスとプライベートを混同させつつ利用することもします。これはノルマがあって必達・・・というわけではありませんが、やはりたくさん協力してくれた方が契約者にも代理店にも良い印象を与えられますから頑張らないわけにもいきません。最も顕著なのは車ですね。車を買う客を何人紹介できたかというのは、ディーラーにとって保険会社との付き合いを考える上での1つのファクターになっています。よって社内では社有車の購入だけではなく、社員自身、その家族、知人が車を購入する時は保険会社に一報を入れるよう地道な宣伝活動を行っています。「○○保険会社からの紹介です」と言うと、情報料として保険会社から謝礼金がもらえるので、購入する側にとっても悪い話ではありません。保険会社も若干の謝礼金を支払うことでディーラーに面子を保てるわけですから、最早必要経費です。これについては「1年間で○台紹介しよう!」という目標があり、車を購入するつもりがあまりなかった私も、目標達成のために一肌脱ぐか・・・という気持ちになり新車を購入しました。決して強制ではありませんが、雰囲気にのまれました。転勤族の社員の中には、新しい部署に異動になる度に車を乗り替えしているというツワモノもいました。

まとめ

目標を達成できるまで帰ってくるな!と言われることはないものの、目標達成をしないと嫌味を言われたり他の部署から指摘を受けたりすることはあります。黙っていても契約は降ってきません。自分で工夫して獲りにいかないと、どんどん他社に奪われていきます。ただでさえも保険会社は通販が台頭してきたために、主力の自動車保険が契約減少傾向にあります。しかも少子高齢化で車の保有台数が減り、少なくなったパイを各社が奪い合っている状態です。自動車保険が駄目なら他の保険で穴埋めをしなければいけません。結局ノルマと呼ばれるものはありませんが、社員である以上会社が先細りしていく現状をそのままにしておくことはできないので、目標を設定してそれに向かって動くというのが営業の基本スタイルです。明確な数値目標があるのが営業で、それ以外のクオリティーを目標としているのが営業以外の事故、事務、経理、人事といったところでしょうか。私のいた会社は個人成績を貼り出してどうのこうのというのはなかったのですが、担当していたディーラーには個人ごとの販売台数、車検台数、点検台数、保険獲得数がグラフで貼り出されていたので、そっちの方がよっぽど厳しくて嫌だなあと思いました。