保険まっぷ

「時間」は大切に 保険の始期は16時

保険の始期は16時から

保険の申込書を見て下さい。手元にない人は思い出して下さい。契約期間のところに「平成●年▲月■日から平成◎年▲月■日まで」と書いてありましたよね?その横に午後4時となっているのに気付いていましたか?そう、実は保険には始期日と同時に始期時刻、つまり補償が始まる時刻というのが存在するのです。始期時刻16時の契約を交わしたら、事故が15時に起こった時はその契約では補償されません。でも何で16時なのでしょうか?実はこれ、その昔保険会社の仕事が16時で終わりだったことに由来しているんですね。勿論、デフォルトが16時なだけであって、希望すればそれより早い始期時刻にすることは可能です。ただ申込書の作成の時に時間を前倒しすれば良いだけですし、間違えて印刷してしまったとしてもその場で修正可能です。この話にちなんで、今回は保険に関する「時刻」「時間」について書いていきます。

共済からの切替に注意

保険の始期時刻が16時であったとしても、同じ保険会社でずっと更新していれば途切れなく補償が続きますので、1番最初の契約の時にさえ注意できれば免責の問題はあまり気にしなくてよいです。問題は共済から他の保険会社に切り替えた時ですね。共済の契約は午前0時に始まり、午前0時に終わります。よって、新たに始まる他の保険会社の契約を午前0時にしておく必要があります。保険時刻を変えても保険料に影響はありません。深夜の時間帯にいたずらされるということもありますので、切り替えた時点で午前0時から始まるようにしておいて損はないでしょう。この共済からの切り替えは、代理店向けの保険勉強会でも題材になるくらい重要度の高いものです。

新規契約は納車時間が大事

前述の通り、保険の始期時刻は変更することができます。よって、新車を購入した際に納車が午前中ということであれば、始期時刻は午前中になります。ただし、当日の夕方に作成した申込書で、始期時刻を午前中にしたとなるとアフロス(事故後に契約して保険金を不正に受け取ろうとする行為)が疑われますので、原則出来ません。また、10時半納車だから10時半きっちりから補償されるようにしたいというなら、保険会社に相談してみましょう。契約書には「○時」とは記載できても「△分」のように分単位まで書く欄はないので、申込書の余白に時間を書いておくことでOKとする保険会社もあるようですから。ちなみに、終期の時刻が16時なことに変わりはありません。(そもそも1年後に訪れる満期の補償の終わる時刻を遅らせたいという人はいないと思いますが・・・)16時以降も補償が必要なら更新するしかありません。

途中で条件が変わったらどうなるのか?

補償が始まるのが16時なら、変更手続きをしたらどうなるのか?と思った方もいるでしょう。例えば車の買い替えや補償内容の見直しをした当日に事故が起こったらどうなるのか?まず以って、車の買い替えについては車両入替という手続きをする必要があるのですが、その手続きを行う前に事故があった場合は入替前の契約条件で補償するというサポート制度のようなものがあります。また、変更手続きが終わっていなくても、代理店と入替後の補償について打ち合わせ済みだとか、手続き真っ最中で後は用紙を郵送するだけだったとか客観的に契約が完了していることが分かれば、新しい条件で補償することは不可能ではありません。昔、車両入替をしたからと言って自宅から代理店に新しい車の車検証をFAXしている間に駐車場でぶつけられたという人を見たことがありますが、その人もちゃんと新しい内容で補償されていました。補償条件の見直しも、16時からじゃなきゃだめということはありません。契約期間中に運転者限定条件を変えるとか、車両保険を一般条件からエコノミーに変えるとか、変更する人は結構いますからね。条件を変えた当日に事故が起きるケースは滅多にないのですが、決してゼロではありません。とりあえず、日付さえ問題なかったら時間は関係ないと思って頂いて大丈夫かと思います。

「時間」だけではなく「日付」も大切に・・・

ちょっとした勘違いが、大きなトラブルになった例を紹介します。ちょっと特殊な例ですが、契約者Aさんが解約日を間違ってしまったために、この問題は起きました。分かりやすくするために、日付を入れてみます。Aさんは今まで加入していたX保険会社の自動車保険をやめ、新たにY保険会社で加入することにしました。Y保険会社の始期日は1月1日。しかし、AさんはX保険会社の解約手続きを忘れてしまい、自動車保険は二重契約の状態。これを解消すべく、X保険会社の解約日=Y保険会社の契約日をあわせるように、と代理店に修正依頼をしたんです。この依頼日が1月19日です。そして、ここで問題が発生。なんと翌20日、Aさんの車のバッテリーが上がってしまい、ロードサービスの要請が入ったのです。Aさんは新しいY保険会社で契約したつもりになっているのですが、まだX保険会社に契約が残っているうえに、Y保険会社の契約は始期が後ろにずれる予定。しかし、契約上では1月1日から既に補償開始の契約であることから、ロードサービスの要請を受けた事故担当者はそのまま業者を手配してしまったのです。事故担当は現場で保険始期をズラそうと手続き中であることは知らないし、始期を変更するよう依頼した保険会社の担当者も代理店もまさか訂正の最中に事故が起きるだろうなんて思わないし、そもそもそんな情報を共有する仕組みはないし。とにかく、本来ならばX保険会社のロードサービスを受けるべきところを、Y保険会社のサービスでやってしまったということです。この案件は聞いた話なので、結末がどうなったのか知らずお伝えできないのが申し訳ないのですが、若干揉めたようです。お客様は「X保険会社の解約の手続きをしろなんて言われていない」と言うし、代理店は「解約依頼をした」と言うし、「1月20日にロードサービスを手配した車について1月20日始期で契約するのって問題じゃない?(事故が起こってから申込書作るのはおかしくない?の意味)」と始期日がいつになるのかが問題になったり・・・たった1件の自動車保険の訂正が色々な部署、会社を巻き込んでの騒ぎとなりました。日付を間違ってこんなに大騒ぎになるのですから、時刻を間違っても同じような騒ぎになることは容易に想像がつきます。

始期時刻の概念が存在しないものも・・・

旅行傷害保険には16時始期というルールはなく、どこの会社も午前0時始まりです。旅行傷害保険は、自動車保険や火災保険のように継続性のある商品ではありませんし、そもそも「保険の都合で16時より後に出発しなくちゃいけないの~」なんて話聞いたことありませんよね?それで良いんです。夜中でも明け方でもご自身のスケジュールに合わせて旅を楽しんで下さい。

知っていることはどんどん言って下さい

保険の説明にばかり気を取られて、始期時刻を直さない代理店も少なからず存在します。それは知識がなくて直していないのかもしれないし、もしかしたらうっかり忘れているのかもしれない。でも、人間ですから誰にだってミスはありますよね。そもそも保険の手続きは代理店が1人で行うものではなく、契約者である貴方も一緒に行うもの。契約者側が「始期時刻はこれで良いんですか?」と一言聞くだけで、後のトラブルを防げるかもしれません。そのようなお客様は、保険を販売する側にとって頼もしい限りです。是非、今回身に付けた知識を皆様どこかで披露して頂ければと思います。