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保険会社と金融機関の関わり

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保険会社と金融機関

銀行、信用金庫、信用組合、漁協等、保険会社は多くの金融機関と協力して仕事をしています。今回は金融機関と連携してどのような仕事をしているのかを、「代理店」「保険料収納先」「質権者」「顧客」の3つの面から解説していきます。

代理店としての関わり

銀行の窓口で生命保険のパンフレットやポスターを見たことはありませんか?金融機関が生命保険を販売するにあたり、やはり重視するのは売り易さと説明のし易さですね。金融機関としての本業もある中で、なるべく楽(?)に保険を販売するためには、顧客が興味を持ちそうな商品であることが好ましいようです。よって、小さな子供がいる世帯が興味を持つ&貯蓄性の高い商品なので勧めやすい学資保険、がんと診断されたら保険金が貰えますよという比較的説明がシンプルながん保険といったものが選ばれます。勧誘された、あるいは既に加入しているよという人も多いのではないでしょうか?住宅ローンの関連で火災保険を販売する傍らで、生命保険も販売するということで、販売に携わる人は資格を保有しています。その資格を維持するためには試験が必要ですし、販売前には商品勉強会に参加して知識をつけなければいけませんし、契約後のアフターフォローも必要です。銀行員+保険の代理店ということで、販売強化キャンペーン期間中等は皆さん必死になって活動されています。ちなみに、銀行が保険を売るというのは決して簡単なことではないんですよね。銀行員でもない私が語るのは非常におこがましい話ではありますが、敢えて言います。大変なんです。なぜなら、圧力募集と誤解されやすいからです。保険業法では、圧力募集(契約しないと家から帰らない脅す行為)を禁止しています。しかし、銀行からお金を借りているお客様の中には、銀行員の言うことはきかなければならない→保険を勧められたら加入しなければいけないんじゃないか!?→加入しないと断ったら融資してもらえなくなる!?みたいな思考回路が出来る人がいるらしいです。決して無理やり加入しろと言っているのではなくて、「この生命保険は良い商品だからおすすめしているんですよ」という体裁で銀行員は案内しているので、加入しようがしまいが個人の自由ですし、それで融資が打ち切りになったりしたらそれこそ大問題なんですけどね。一歩受け止め方を間違えられるとそれだけで「圧力募集!」だの「コンプライアンス違反!」だの騒がれてしまいますから、決して楽な勧誘活動ではないんです。

保険料収納先としての関わり

銀行と言えばお金、お金と言えば保険料!ということで、保険会社は金融機関と提携してお客様の保険料を口座から収納しています。保険料に関して銀行と最も関わる仕事と言えば、口座振替依頼書の手続きの時ですね。皆さんも口座振替を始める時や、クレジットカードを作る時に、自分の口座情報を書いて口座届け出印を押して提出する紙をご存知ですよね?あの紙を口座振替依頼書というのですが、構成は基本3枚になっています。1枚目は保険会社用、2枚目は金融機関提出用、3枚目はお客様用です。ここで声を大にして言いたいことがあります。それは、「金融機関用の口座届出印ははっきりくっきり押して!」です。1枚目は保険会社が登録のために使うものなので、印鑑が多少薄かろうが途切れていようが大丈夫です。しかし、2枚目は銀行が印影確認のために使うものなので、ちょっとでも印鑑が薄いと「印影不鮮明」、印鑑を間違えば「印鑑相違」で登録もせず返却されます。これを確認不能と言います。確認不能になると、口座の登録が1カ月遅れるので、保険料の支払いが後ろにずれることになり、お客様は2~3カ月分の保険料をまとめて支払うことになるので最悪です。しかも確認不能の結果は、すぐ分かるものではありません。保険会社が定期的に口座振替依頼書を銀行に送り、銀行が銀行内のスケジュールでチェックし、その結果を寄こしてくるといった流れになるので、平気で1カ月近くかかります。どうしても確認不能を起こしたくない場合は、直接銀行の窓口まで行き、お姉さんに「印影確認をお願いします」と言って書類を預けることもあります。(信金の友人に言わせると、この作業依頼する人が多くて面倒なんだよね(苦笑)だそうです)確認不能かどうかはその場で分かりますし、口座名義人本人が持参しなければならないルールではないので、私もよく行きました。私の上司に至っては、「印鑑が20本近くあってどの印鑑がどの銀行の口座届出印が分からない~」という契約者に対し、印鑑の数だけ口座振替依頼書を作成させ、窓口で全部確認させたという逸話があります。(窓口のお姉さん、お忙しいところごめんなさい・・・。)でもこの窓口作戦もできない銀行があったりするので、いつまで経っても口座登録が完了しないという時もあるんですよ。他にも間違って合併前の支店名を書いてしまったとか、口座番号が1ケタずれていたとか、訂正印を押していないとかで確認不能になってしまうこともあります。保険会社ならある程度柔軟に対応できることも、金融機関が相手だと駄目みたいなことが結構あるので、とりあえず口座振替依頼書を書くときは金融機関用となっているものを懇切丁寧に間違いのないよう書いて頂きたいと思います。

質権者としての関わり

住宅ローン等の借入がある物件に火災保険をかける時、事故があった場合保険金を回収できるよう金融機関がその権利を占有できるようにすることを「質権設定」と言います。質権設定することにより、保険会社は質権者に保険金を支払わいますので、銀行はローンの残債を取りっぱぐれることはなくなります。これは1つの銀行だけではなく、第1順位、第2順位・・・といった形で複数の金融機関で設定することが可能です。質権設定をした契約の場合、証券本誌は質権者が保有することになり、契約者には証券写が送られるので、契約の管理や保全等については問題ありません。更新手続きが遅れたり、間違っていたりすると、銀行から「○月△日満期の■■さんの契約は、更新されていますか?まだ証券が届いていないんですが・・・」と問い合わせの電話が来ることもあります。ローンがある=質権設定を絶対行うというわけではないのですがね。ただ、火災保険の保険金だけではなく、積立保険の満期返れい金にも質権設定を行うようなこともあるので、ケースバイケースかもしれません。基本的には火災保険と質権設定はセットになっている、くらいの認識でOKです。

顧客としての関わり

金融機関は代理店でもあり、仕事のパートナーでもあり、そして大事なお客様でもあります。金融機関の店舗、火災保険が必要ですよね?スーパーに設置してあるATM、盗難が心配ですよね?行員が仕事をする上で使う車、自動車保険かけますよね?というわけで、金融機関には保険をかけるべき対象物がたくさんあるのです。規模の大きい金融機関ほど契約金額も保険料も莫大になりますから、満期近くには担当者だけではなくその上司達も一緒に説明に行くほどの大口取引です。うかうかしていると、他社に根こそぎ契約をひっくり返されてしまう可能性もありますからね。契約を頂いている保険会社は防衛をしっかりしなければなりませんし、契約獲得を目論んでいる保険会社は的確な攻めをしたいところです。金融機関も保険会社との付き合いを考慮し、場合によっては共同保険でシェアを分けることもあります。額が額なので少しでもシェアが上がれば儲けものです。

若者に向けて

金融機関に就職希望の方へ。金融機関に就職すると保険は嫌でもご自身の仕事に関わってくるため、逃れることはできません。「こんなはずじゃなかった・・・」と思う前に、業界研究をされておくことをおすすめします。