保険まっぷ

これってコンプライアンス違反?

保険販売の基礎・保険業法

保険商品は平成8年に施行された保険業法に定められた規則に則り、募集行為や契約手続きが行われています。保険業法は、消費者の立場にあたる契約者や被保険者を保護する目的で制定されているものであり、契約者らが不利益を被らないよう様々なルールが制定されています。今回は保険業法に定められている禁止行為を分かりやすく説明するために、クイズ形式で出題していきます。もし自分がこのような代理店に遭遇したらどうするか?それを踏まえて是非を考えてみて下さい。

病歴のある人が生命保険への加入を希望している場合、虚偽の告知を勧める行為は○か×か

保険業法第300条、保険業法施行規則第234条では告知義務違反を勧める行為を禁止しています。そもそも何故生命保険に加入する際には、告知書が必要なのかご存知ですか?生命保険は元々加入するプランと年齢に応じた保険料があらかじめ定められているものを選ぶものですが、それは健康体の人を対象に計算された保険料です。病歴がある人、またはこれから病気になり得る可能性のある人は、加入を拒否されるかあるいは割増保険料を支払った上での引き受けとなります。そうしなければ保険料負担の公平性を保つことができないからです。自動車保険で等級が低い人の保険料が高いのは、事故を起こす確率が高いからです。それと同様に病気になるリスクが高い人は、多めに保険料を徴収しなければなりません。それを見極める役割を担うのが告知書です。確かに告知書で問われる質問は、「こんなことまで書かなければいけないの?」と思うくらい細かいものばかりです。身長、体重、病院にかかった履歴、服用していた薬の名称、健康診断の結果・・・。場合によっては、その場で即答できないものもあるかもしれません。それを面倒くさいから、分からないからといって「適当に書いていいですよ」と流してしまう募集人がいたら、それはハズレの募集人です。多少時間がかかっても事実を正確に書かせようとするのが、真の募集人の姿です。よって、答えは×です。ちなみに告知義務違反で加入したことが後々判明した場合、契約は無効になります。病気にかかっても保険金は下りません。それまで支払っていた保険料は無意味なものになります。危ない橋は渡らないように。

積立保険の募集の際に、「この保険は満期になれば絶対に儲かります」と断言する行為は○か×か

積立保険、それは満期になると積立していたお金が少しプラスになって戻ってくるという楽しみのある保険です。掛け捨てではないので契約者の興味を引き安く、また代理店も手軽に販売できるということで積立傷害保険が人気ですね。(傷害保険は、自動車保険程説明する事項が少ないのです)では、この満期に戻ってくるお金を「絶対儲かる」と宣言するのは果たして良いことなのか?はっきり断言してくれるから良いじゃないか!と思う人がいるかもしれませんが、答えは×なんです。保険業法に定められている募集上の禁止行為の中に、「募集人は契約者や被保険者に対して、不確実な事項について、断定的判断を示すことをしてはならない」と定められています。つまり積立保険で言えば、保険会社からの配当があって初めてプラスになる=儲かることが確定するのであり、それは契約前には分かりえないことなのです。配当がないかもしれない、そもそも満期までに保険会社が倒産するリスクだってあるのです。よって、積立保険が絶対儲かるなんて、確実に決まっている未来ではないのです。このように不確実な未来を「絶対」「間違いない」等の言葉を使って契約者に誤解を与え、あまつさえ契約を行うことは禁止されています。

自動車保険成約のお礼に、1本300円のボールペンの粗品を渡す行為は○か×か

まず大前提ですが、保険料の割引行為は禁止されています。とはいえ、現在の保険の仕組みは保険料を全て専用の端末が計算して申込書まで作成してくれるため、意図的に安くしようと思っても出来ないのです。よってここでいう割引行為とは、保険に加入してもらう見返りに別のものを安く提供し、契約者の金銭的負担をトータルで少なくするというものです。よく言われる例では、ディーラーが新車購入代金や車検代金の値引きをするから、自動車保険に加入してくれというパターンです。他にも旅行代理店がパックツアーの値段を値引きするから、旅行傷害保険に加入してくれというパターンも考えられます。皆さんがそのような募集人に会ったとしたら、申し訳ないのですがその募集人はあまり良い募集人とは言えないので、速やかに担当替えをしてもらうか、その店でものを購入するのは止めましょう。ルールを誤魔化して何かを為そうとする人は、保険以外でもやらかしている可能性が高いです。また、皆さんがお客さんの立場だからといって「保険に加入してあげるから、○○の料金安くしてほしい」等と言うのはやめましょう。(勿論そのようなことはされていないと思いますが・・・)お客さんに言われて仕方なく割引した、なんてことが発覚したら、その募集人は最悪クビになります。決して「値引きもしてくれないなんて融通のきかない奴だ」なんて思わないでくださいね。このような保険料の実質値引きにあたる行為を、保険業法では「特別の利益の提供」と呼んでいます。契約者に対して特別の利益の提供は認められていません。とはいえ、代理店として契約してくれたお客様にお礼がしたい、プレゼントがしたいという気持ちを一切認めないというわけではありません。タオルやらサランラップやら洗剤等の日用品といった金額にして500円程度のもので且つ換金性の低いもの(現金500円を渡すとかは駄目です)であれば、代理店からお客様に渡すことを認めています。よって、問題の答えは○です。ちなみに最近やたらと「無料保険相談をされたお客様に商品券5000円分をプレゼント!」という保険代理店の案内をみます。あれは保険の成約に対してではなく、保険を契約しない相談・見積もりの段階ですから、この特別の利益の提供には該当しません。彼らの狙いは面談をきっかけにお客様から家族情報を聞き出したり、加入している保険証券の内容を聞き出せるわけですから、闇雲に飛び込み営業するよりはよっぽど仕事の効率が良いのです。商品券5000円払っても、その後うまく話が進んで契約してもらえれば、それ以上の代理店手数料が入ってくるわけですしね。私も興味があって無料相談経験したことがありますが、本当に後日商品券が送られてきました。2回ファミレスでお茶しながら話を聞いたので出費が1000円、それで5000円の商品券貰って、保険の勉強もできたので実質4000円プラスですね。あからさまに商品券が狙いだとバレた人には商品券が送られることはないそうですが、時間があってやってみてもいいかな~という人は1度試してみると面白いと思います。無理な勧誘もされませんしね。

保険の現場ではコンプライアンス違反の危険がいっぱい

営業の現場には、コンプライアンス違反に該当しそうなリスクがたくさんあります。生命保険の申し込みでは代理店の面前で契約者が自署すると口をすっぱく言っているのにも関わらず「郵便で送った」「奥さんが代わりに書いた」という書類を何度見てきたことか。募集人の方々もそんなことは朝飯前で分かっているとは思うのですが、「忙しかったから」とか「バレないと思ったから」と甘く考えて、その結果コンプライアンス違反だ!なんて大事になってしまうんですよね。コンプライアンス違反が発覚すると、その代理店に対しては代理店手数料のカット、該当募集人の募集禁止や退職勧告、罰金等のペナルティが下されます。コンプライアンス違反は保険会社、代理店、顧客の誰も幸せになれない結果を招きますので、起こさないよう、起こされないよう注意しなければいけません。