株式会社かんぽ生命保険

これまで、損保、生保共に、支払い審査業務の効率化を目指して、AIの導入を積極的に進めてきたと思っています。しかしこれまでのそういった話は、見出しは立派なものの、中身はまだまだ中途半端、あくまでの支援システムとして、事例のデータベースをもとに、選択肢の提示をするなど、限定的なものが多かったと思います。

 

今回、かんぽ生命が保険金支払い審査の支援にIBMの人工知能ワトソンを使うことになったという一報に、さてさて、どの程度なもんなんでしょうねぇと、どちらかといえば、あまり期待しないでニュースの詳細を読み進めました。正直、かんぽ生命さんやIBMさんには悪いのですが、あらさがしくらいのつもりで読んだかもしれません。

 

IBMの人工知能ワトソン(IBM Watson Explorer)は、2016年に医学分野では、注目を集めた実績があるとのことです。2000万件以上の生命科学の論文や1500万以上の薬剤関連の情報を学習させた上で、ある患者を診断したところ、特殊な白血病の可能性が高いと診断し、適切と思われる治療法を提示し、実際に患者の治療に寄与したという実例です、勿論、最終の診断、治療は、医師が行っているのですが、膨大なデータを背景にした示唆、可能性の提示は、けっこう役にたつでしょう。もうそんなことろまできていたんですね。

 

管理人がこの記事を書いているのは、2017/4なのですが、かんぽ生命とIBMによる保険金支払審査業務への人工知能の適用試行は、2015/2から行われてきました。プロトタイプによる試行と過去事例の機械学習は、すでに500万件の学習ができている状態です。
現在では、査定担当者が判断に迷った時に問い合わせると、学習結果をベースに推定結果と、推定の参考・根拠とした過去事案もあわせて、確信度、蓋然性も含めて提示することができるまでになっているといいます。これによって、難しい事案に比較的経験の浅い担当者が当たる時でも、提示内容に基づいて、査定判断を行うことができるようになっているとのことです。

 

まあ、なんというか、自分でなんでも考えるSFのようなAIというわけではありませんが、十分に実用に耐えるデータ量と、推定ができるようになっているのだなぁと見直すことになりました、


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