セコム損害保険株式会社とは

『保険もセコム』そう言われてもねぇ。。セコムが損害保険業界に進出すると決まった時、セキュリティーをお願いしていた保険代理店がライバル会社のALSOKに変えたと言う噂が一斉に広がった時期があった。私の勤務していた代理店でもセコムにセキュリティーをお願いしていたが、申し訳なさそうに「今度保険も始める事になりまして。。」とパンフレットを持ちあいさつに来られたとたんに社長は警備をALSOKに変えた。
その理由には、警備会社に自分の会社の情報を盗まれたくないからと言うのも一理あり、結果的には驚異的な商品と言うのは直ぐには出なかったが、セコムに絡んでくる大手企業がセコムが保険を販売する事によって乗り換えるのではないかという懸念が一番恐れられていた事が現実に起こったからだ。

平成１０年にセコムがグループとして本格的に損害保険の商品を販売し始めた。特に自動車保険に関してはセコム独自のスピードを生かしセコムのスタイル（あの制服で・社用車で）現場に急行してくれるので事故相手が少し引き気味になるという威圧感もあるらしい。強みとしてはそれも含めて株主が大企業ばかりだという事が大きい。セコム株式会社をはじめ、日本化薬株式会社・株式会社横浜銀行・朝日生命保険相互会社
富国生命保険相互会社・株式会社阿波銀行など大企業が並ぶ。この他にも個人や団体が株主となっており、もともとは警備会社という事で株主に生保会社や銀行と言う保険会社には無くてはならない部分では他社は叶わないかもしれない。破たんする心配がなく安定性と言う面ではトップクラスであろう。ただし、商品がどうかは別の問題ですが！

セコム保険の評判は商品によってマチマチといったところでしょうか。特に私が注目したのが「がん保険・メディコム」、最新医療を必要とする上皮内新生物にも対応してくれるがん保険が特約として付帯が多い中で、保障してくれる所に注目。診断給付金の他に費用全額負担という所もアフラックに引けを取らないように思えるが、その売れ行きが順調と言えない理由に知名度の低さもそうなのですが５年ごとに更新があるという事で「あぁやっぱりな」という結果になるのです。つまりメディコム単品で一生涯継続していくとしたら万が一、がんと診断されたら保険料を支払っていけるかどうかが課題になります。更新が無ければすごくいい保険なのですが。。他、自動車保険については保険料が高くなければ加入したい、火災保険については「セコムだから安心」と（私としては意味の分からない）お答えが多く悪い評判では無いようです。セコムと言う名称だけで評判は悪くは無いような感じですね。

こんな事言うのも恐縮なんですけど、いつから主力商品をメディコムにしたんですかね？ちょっと前までは自動車保険を筆頭に火災保険を二番手に売り込んでいたと思うのですが。。私の記憶ですからハッキリと断言できませんが多少はあると思います。
個人・法人で若干、取り扱っている商品は違うのですが、個人の自動車・住まい・からだ(メディコム)・シニア(シニア用がん保険)と、１法人では自動車・火災・賠償リスク・事業活動による保険を揃えています。
商品の種類と数としては決して多いと言えませんが、ある意味、自信があるからこれだけの種類で勝負できるのだと思います。要するに種類をたくさん扱わなくても顧客の加入を獲得できると思います。株主の絡みからたどって行けば法人契約は頂けるでしょうし、個人においてはセコム警備のお宅にセールスする事ができる販売先が用意されたような感じですね。うーん、参った！

ソルベンシー・マージン比率は525％～をキープしています。総合評点は８１点とトップの次に来る評価を受け東京海上日動がAAAとされる評価ではAAとされ、学校の成績で表現すると先生が「この調子で更に上を目指してください」といったところでしょうか。
要するに損害保険業界でも優等生クラスに入っていると言いましょうか。セコム損害保険はラッキーも重なっていると思えてならないのですよ。例えば株主が大企業である、販売先が準備されている、知名度が高いなど、これも保険会社の運と力のうちなのでしょうが格付けが安定して入る位置に居るという事は加入者としても安心材料になりますし、今後提携したいと考えている全く違う分野の企業からも注目される率が高いと言えます。なんせこの頃は何でもアリですからね。

セコムと言えば安心の警備ですよね。でもセコムの保険となると別の人が担当するんでしょ？と誰しもが思うでしょうが実は自動車保険に関してはセコム警備の人が運営されているのです。ですから事故が起こった場合にセコムの制服を着た人がセコムの車にのって現場に駆けつけてくれて、その後もセコムの保険てき手続きをしてくれるので安心というわけです。通りがかった人は事故なのにセコムの制服・クルマを見かけると事件と思われる方も多いようで。。大騒ぎになったと言う実際に事故に遭われた方がおっしゃっていました。まぁ交通事故も大騒ぎなのですが、どうしても警備の人と言うイメージが大きいので、保険の事は大丈夫なのだろうかと思いきや、きちんとその辺は教育されていますのでご安心ください。しかし、保険に力を入れるとセコムの警備の方は大丈夫？っておもってしまうのは私だけでしょうか。

驚いた事に、同じセコムグループでも『セコム株式会社』と『セコム損害保険』での社内の評判が大きく違うのです。
セコム(株)は警備会社ですよね、こちらは安定した収入と勤務時間帯は不規則なのですが自動車保険を販売しているにも関わらず社内評判が悪くない理由には警備のセコム(株)はあくまでも販売のみで後々のサポートはセコム損害保険の方がするからです。
そのせいとは言いませんが、セコム損害保険の社内評判はすこぶる悪いです。特に適正な人事面では誰もが合っていないと評価し、２０代や人材の育成に関しても希望が持てないと答えている人が多い事が気になります。中には東洋火災時代の人間関係が今でも根強く残っている事も影響していて、社内で、なかなか新しい関係を作り出す事は難しいとされています。女性社員の答えでも警備のセコム(株)では定時に勤務時間が終われるに対して、損害保険のセコムでは残業が多すぎて、家庭との両立は難しいとされています。残念ですね何だか。。

セコム損害保険のサービスと言えば何と言ってもロードサービスになるのですが、JAFに加入していると更に無敵になる感じです。
同レベルとしては損保ジャパンのロードアシスタンスが匹敵するのですが、セコム損害保険としての頑張りどころと言うのがこのロードサービスではないでしょうか。２４時間専門スタッフが対応します(これはだいたいそこでもそうですが)・レッカー・牽引などのサービスは基本で、その他細かいサービスが見られます。中でもキーロック解除・冷却水補充・サイドブレーキ固着解除など、これは一部ですが「こんな事で来てくれるの？」というサービスがありがたいです。こんな事での内容でもセコムはその点、専門というか得意分野になるので気兼ねなくお願いする事ができるので加入している方は遠慮せずに是非、ご利用いただきたいです。

正か非か？と言われると素人では判断できないのですが、正は色々な意味であると思います。非は今の所無いとしておきましょう。
何故ならセコム損害保険が必要かどうかは、加入する権利のあるすべての人が決める事だからです。
企業の評論家の人たちは様々な視点からバッシング・メリット・デメリットを評価するかもしれませんが、保険会社となり商品を提供するという事はあくまでもお客様主体でなければならないからです(たとえ表向きの会社であろうと)そこにセコムグループとして損害保険に力を注いだ事は世の中の企業に対しても刺激になったと思いますし、特に警備会社で有名なセコムががん保険を販売した⁉となるとこれからの時代は方にとらわれない戦略と方法が必要である事は間違いないようですね。

全ての事から総合的に見ますと、セコム損害保険は今後もセコムグループの中で安定した土台と共に販売を続けていくと思います。
ただ、それが斬新で新しいものを販売する事では無くてどちらかと言うと現状維持派のような印象が深いです。
旧・東洋火災との社内人間関係や、警備のセコムと損害保険セコムの社内ギャップ、顧客からはとにかく「セコムだから安心」という評判。これ全てがうまくかみ合えば、もっと大きな規模の害保険となれるでしょうに古い考えや人材育成面でも他社から遅れを取っている限り、個々どまりの様な気がします。せっかく大きくなるステージが用意されているのに勝負しないのは残念かなぁと思わずにはいられません。まぁ今じゃ警備の方も金メダリストが多く輩出されているALSOKに顧客を取られがちですから、何かで一番になっておかないと後が大変かもしれませんね。