現代海上火災保険の概要と沿革
現代海上火災保険株式会社、実はこの会社本社が何と韓国にあるのです。外資系保険会社というとアメリカやヨーロッパをイメージしますよね。その中にアジアが出てくると、しかもお隣の国となると「なんで韓国の保険会社が日本にあるの?」と思ったり(笑) 現代海上火災保険株式会社は本社の韓国をはじめ、アメリカ・イギリス・上海・北京・ベトナムに支社があります。その中のひとつでもあるのが日本支社です。
事務所開設は1976年10月、東京千代田区に日本支社が、唯一の大阪には支店があります。日本支社における代表者は 韓 昌完 支社長で日本初の韓国の保険会社として1976年から今日まで皆様の安全と保障をサポートしてきた損保会社です。その概要は日本の損保会社と変わらず個人・法人向け保険商品を提供しています。
韓国ってどういう事⁈
韓国って事で、今更驚く必要もないと思うのですが。ヒュンダイ自動車やサムスン・LGなど韓国企業は日本いや、世界的にも続々と進出してきています。成田空港があるにも関わらず羽田空港を国際化したらどうかと言う意見が出たのも韓国の仁川国際空港の成功があるからなのです。
成田空港はアクセス的に不便な部分が多く、だったら羽田空港を仁川国際空港のようにしたいという国の思惑なのですが。。。
他にもサムスンやLGなどは特に最近、躍進しているのではないでしょうか。ですから、そんな中で韓国の保険会社が日本に支社を置いても何の不自然さも無いという事なのです。ただ、欧米諸国やヨーロッパ諸国に比べてアジア諸国が保険の加入率はすこぶる低いのも現状です。韓国もそう言われる国のひとつで、船舶などは無保険で営業しているというあくまでも噂ですが事実に近い噂もあるほどなのです。でも、もしかしたら韓国の人々は『保険』という日本なら当然の様な生活をしたいのではないでしょうか。
法人向け商品
現代海上火災の法人向け保険商品には、普通科再保険をはじめ店舗総合/休業・施設所有者/生産物賠償責任・自動車管理/請負管理賠償責任などの保険商品を取り揃えています。得に目に留まるのが賠償責任保険の多さです。自動車にしても自動車搭乗中の補償では無くて自動車の管理中に起こった事故に対しての補償を挙げています。このように法人向けの商品の特色を見ると外国では特にそうなのかもしれないのですが、企業が負わなければならない責任というのがいかに重要になって来るかが判ります。日本の損保会社でも賠償責任保険は取り扱っていますが、外国、世界的な感覚と日本での感覚とでは少し必要性が違って来るかもしれません。ちょっと悪い言い方になるのですが、諸外国は責任をどちらがとるか?で裁判になる事が少なくないようです。
個人向け商品
個人向け保険商品も品ぞろえは豊富ですよ。住宅総合から個人賠償責任保険までズラリ。ただですね。。自動車保険が無いのですよ(笑)どうして?って感じなのですが。交通事故傷害保険というのがありまして、自動車事故による乗り物(自動車・自転車・電車・航空機・船舶など)との接触・衝突など、または駅構内から出口までの間に遭遇した事故を補償する保険はあるのです。これ、現代海上火災の特徴なのかもしれません。言い方が悪いかもしれませんが、この手の補償なら普通傷害保険で設定が可能なように思うのですが。。。車時代の世の中に、もちろん韓国でも自動車はたくさん道路を走っているのに何故自動車保険が無いのでしょう?思うに現代海上火災保険の商品は受け身である事が主軸になっているように思えてなりません。受け身イコール被害者になった場合にばかりの保険が多いように思えるのですが。。
現代海上火災自動車保険はないの?
自動車保険が無いのは。。。日本支社だけのようですね。というより日本支社では取り扱っていないと言った方が正しいかもしれません。韓国本店では取り扱いがあるようですが、日本に自動車保険をおかないのは正解かと(笑)自動車保険王国の日本と言ってもいいくらいですから現代海上火災が自動車保険をわざわざ売らなくても、交通事故傷害保険のように事故の被害者になってしまった場合の保険をアピールした方が逆にいいのかもしれませんね。ではどんな方が現代海上火災の保険に加入されるのでしょう?興味深い所ですね。今、日本中には企業家・実業家も踏まえてたくさんの在日韓国人の方が生活しています。そんな方々が選ぶのかもしれませんし、韓国から何らかの事情で日本に移住された方が古巣の保険を選ぶのかもしれません。いずれにしても自動車保険が無いという事は、営業戦略的には正解かも知れません。
代理店開設の課題
代理店開設も現代海上火災保険は募集をかけています。どんどん解説して代理店を増やして行きたいと考えているのかもしれませんが、支社が東京で支店が大阪に1か所だけとなると代理店を増やして行くのは厳しいかもしれませんね。代理店と保険会社の絆は信頼関係でもあり、いざという時にすぐに駆けつけてくれる、連絡が取れる、対応できるという事が重要です。これは保険会社とお客様の関係にも類似しており、代理店を増設したい場合には日本に支店をもう少し増やす必要があるのではないでしょうか。また、現代海上火災のみで代理店を営業するのも厳しいと思います。現代海上火災の特徴は他社の保険商品と比べてこそ光るものもありますので、何社も乗合している代理店で販売する事が望ましいでしょう。しかし、、どのくらいの代理店があるのでしょうか?気になる所です。
採用状況
就職に関しては現在の所、募集活動は行っておりません。何かと情報が少ない会社ですので、就職採用状況もわからないのですが、ただ2015年度卒業予定の新卒者に対して『損害調査員』としての募集は行われているようです。正社員は約束されると思いますが、現代海上火災と直接関係する社員では無いようです。損害保険への就職なら日本中にはたくさんの企業が新卒者への募集をかけていますので、よほど現代海上火災保険にと言うこだわりが無い限り就職する方は居ないのかもしれません。損保業界は入社後の方が大変ですから(笑)それなら収入面や待遇面、遣り甲斐や自分のこだわりが持てる所の方がいいですよね。日本での募集はありませんが韓国では大募集しているのかもしれませんよ。
韓国と日本の違い
日本は保険王国と言う割れるほど、何かと保険に加入している人が多いのですが。韓国の方はさらにその上を行くほど用心深いと言いますか万が一の時に対しての対策には敏感なようです。日本時が8割の加入率なら韓国人は生命保険は87%・損保保険は71%の加入率というデータがあります。ここで、現代海上火災の保険商品の特徴がどうしてなのかよくわかってきました。賠償責任とか交通事故ほけんなど、受け身イコール被害者になってしまった場合の保険商品が多い事。その背景には年金制度がしっかりしていないと言う不備が浮かんできます。万が一の時の為に備えておきたいのは日本人だけでは無いようですね。健康保険や年金制度の様な国の違いは若干あるものの、中国では「保険は必要ない」という人がほとんどで加入率は40パーセント台と低いのも驚きです。そういう点では日本と韓国は似ているかもしれませんね。
東京海上日動はかなわない?
ここから書くのはあくまでも噂なのですが、、、現代海上火災保険にはヒュンダイ自動車がバックについていると言うのです。バックについていると言うと何だかあまりいい印象がしませんが、こうなると、日本でトップ街道を走る損保会社、東京海上日動でも現代海上火災には敵わないと言うのです。もし、このうわさが本当ならそうかもしれませんね。しかし、東京海上日動と言えば東海グループでもあり、3大メガ保険でもあり、日本を代表する企業でもあるだけに、このうわさが本当なら穏やかでは無いですね。デマにしても、噂にしても、要するに世界を見る韓国と日本ばかりを重視する日本損保会社とでは規模が違うと言う皮肉なのかもしれません。それならそうで真摯に受け止めるのも今後の日本の損保業界の為にもなるのではないかと思います。
今後の展開
日本で初の韓国が本社である損害保険会社という事で、衝撃を受けたと言いましょうか。。世界には色々な保険会社がまだまだあるのだという事がわかりました。外資系保険会社というとどうしても欧米やヨーロッパの方を思い浮かべるのですが韓国や日本も含めて優秀な保険会社がまだまだあるのだという事を示してもらいたいですね。日本には3大メガ保険といういつの間にかそう呼ばれるグループが出来てしまったばかりに、国内競争ばかりに力をいれて世界に目を向けていないような気もします。その点、現代海上火災保険は韓国の国柄の、韓国人がニーズとしている補償内容をしっかりと把握し、日本にもそのまま持って来たところがブレていなくていいと思います。韓国出身の保険会社として今後も独自の目線で知名度を上げて行って欲しいと思います。