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自動車保険と運転免許証

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タグ: 自動車保険

免許証の色で保険料が変わる時代

かつて自動車保険はどの保険会社で加入しても保険料が同じという時代がありました。それが「保険の自由化」が始まり、各社が保険商品に独自の特約やサービスを付けて販売することになり、結果同じ車でも保険会社によって保険料が異なるようになりました。そこから更に進んで現代は「リスク細分型」の自動車保険が当たり前になってきています。これは、契約者の年齢や免許証の色、走行距離等によって保険料が変わる商品と思って頂ければ分かりやすいでしょう。そんなリスク細分型商品と関わりが深いのが、免許証の色です。今回は、自動車保険と運転免許証の関わりについてお話します。

グリーン?ブルー?それともゴールド?

初めて免許を取得した人は、3年間グリーン免許が交付されます。免許取得直後ですから、運転が不慣れなため事故を起こす、あるいは自分の運転技術を過信して事故を起こす等、最も交通事故を起こすリスクの高いグループと言えます。グリーン免許の人が更新を迎えたら、ブルー免許になります。ブルー免許にはグリーンからランクアップした人と、事故や違反が多くてゴールドにランクアップできない人が混在しているグループです。そして、過去5年間無事故であればゴールド免許となります。保険会社にとって、ゴールド免許の所有者は事故を起こすリスクが少ないいわゆる「良いお客様」なので、ゴールド免許割引という制度を設けて、契約の確保に乗り出しています。保険会社によっては、ゴールド>ブルー>グリーンの順に保険料の割引率を設定している会社もあれば、ゴールド>ブルー=グリーンのようにゴールド免許だけ割引率を設定している会社もあります。確認してみて下さい。また、運転免許証を保有していなくても被保険者になることは可能です。例えば自宅にある車で毎日病院に通っているけれども、運転をするのは近所に住む子供達が日替わりで行うといった場合で、毎日乗る契約者を被保険者として補償したいということでしたら、免許証の色を「その他」にして加入することができます。

保険契約と運転免許証

自動車保険の契約で重要なのは、「保険始期時点で何色の免許証を所有しているか」です。保険の更新と免許更新の日付が近い人は、契約した日ではなく、始期時点で何色かというところに注目して下さい。保険の更新は今では1ヶ月~2ヶ月前に行うのが当たり前となっています。通販型自動車保険では、2ヶ月前に契約すると8000円割引するというような大変お得なサービスも行っています。契約した時はブルーでも、保険始期までに免許の更新の手続きを行ってゴールド免許の交付がされるというのが確実であれば、実際の免許証の色はブルーでもゴールドであるとみなしてゴールドで契約することができます。更新後の免許証の色が何色になるかは、運転免許証の更新案内に記載されているはずですので、前もって分かるはずです。仮にブルーで契約したとしても、新しい免許証の交付を受けてから契約内容変更の手続きを行えば、保険料の差額は返還されますから、いずれにせよ契約者が損をするようなことはありません。契約者にとって少し残念なのは、保険期間中に免許証の色が変わる場合です。前述の通り、保険始期時点での免許証の色をもとに保険料を計算しますので、保険期間の途中に免許証がブルーからゴールドになっても、いきなり保険料が安くなるということはないのです。始期時点ではゴールドだった人が、違反をしたためにブルーで更新した場合も、それが保険期間の途中であれば差額を払うこともありません。ですが、事故を起こした時に実際の免許証の色と契約書に書いてある免許証の色が違うと余計なトラブルのもとになるので、色が変更になったらその手続きをしましょう。そうすれば、次回更新の際に正しい免許証の色で保険料を計算してもらえます。ゴールド免許割引を最大限生かしたいということであれば、1度既存の契約を解約し、新しく入り直す中途更改(中途更新)の手続きをして下さい。

ドライバー保険

ドライバー保険という商品をご存知ですか?これは、自動車保険とは異なるものです。運転免許証を所有しているけれども、マイカーを持っておらず、他人の車を運転する人が事故を起こした時にために加入する保険です。一般の自動車保険と同じように等級があり、無事故であれば1つ上がり、事故があれば1つか3つ下がるのも同じです。補償内容も対人賠償や対物賠償があったり、ロードサービスがあったり等充実しています。しかし、途中でマイカーを購入した際にドライバー保険の等級を自動車保険の等級に引き継がせることはできません。ドライバー保険の等級は、あくまで運転免許証に付随しているからです。また、自動車保険では「35歳以上補償」や「26歳以上補償」と年齢条件をいくつか選べるのに対し、ドライバー保険は「21歳未満」か「21歳以上」のどちらかになるといった違いもあります。いずれにせよ運転免許証を所有している以上車を運転する機会はあると思いますから、自動車保険かドライバー保険のいずれかに加入することは必須と言えるでしょう。

無免許運転の取り扱い

では、運転免許証を保有していない人、あるいは運転免許の更新漏れで本来車を運転してはならない人が事故を起こしてしまった場合はどうなるのでしょうか?結論から言いますと、対人賠償や対物賠償は保険金支払い可能で、人身傷害や車両保険は保険金支払いができません。対人賠償や対物賠償は、自分ではなく相手のために支払うお金です。被害者の立場から考えると、相手に免許があろうが無かろうが補償してもらいたいと思うのは当然の感情です。保険には被害者を救済するという考え方がありますので、無免許運転や酒酔い運転が原因の事故であっても対人賠償と対物賠償は保険金を支払います。しかし、人身傷害で自分の怪我を治療することや、車両保険で自分を修理することには保険金を支払いません。この場合は自腹を切ることになります。罰金の支払い、免許の欠格期間があることを考えると、無免許で事故を起こすことは何のメリットもありませんね。滅多にないことと思いますが、免許の更新忘れには注意しましょう。また、普通自動車の免許しか所有していない人が大型車を運転することも無免許運転になりますので、そのような禁止行為はお止め下さい。

リスク細分型は生命保険にもある

余談ですが、実は生命保険もリスク細分型の商品があるのです。生命保険は契約者が亡くなったら保険金を払う商品であることは、ご承知の通りです。しかし、同じ性別や年齢であっても1人は運転が荒くていつも自動車事故を起こしている人、もう1人はペーパードライバーで自動車にはあまり乗らない人がいるとすれば、明らかに前者の方が保険金を支払うリスクが高いですよね。ですから、生命保険では自動車保険の等級が高い人(例えば、11等級以上等)であれば、保険料を安くしますよという割引制度を設けていたりします。自動車保険の等級と生命保険なんて関わりなさそうに思えますが、実はこのようなところにもリスク細分型の考え方は取り入れられているんですね。

免許証の色が関係ない自動車保険

免許証の色が保険料に影響しない自動車保険もあります。それは、不特定多数の人が運転する可能性のある法人契約の自動車保険です。法人が所有する車に乗る人が、皆免許証の色が同じと言うことはありえませんから、法人契約は別の仕組みを利用して保険料を計算しています。運転するのが1人しかいない個人事業主であれば、リスク細分型の商品でも契約することが可能です。リスク細分型の商品は必ずしも個人の契約にのみ使用されるものでありませんので、仕事で車を使用される方は検討してみてはいかがでしょうか。