保険料の控除とは
保険料の控除とは、一言でいえば、保険会社や共済で保険に加入している人の税金が少なくなる制度だ。当然ながら収入(所得)があって、所得税を納めていることが大前提になる。所得から支払った保険料に応じて差し引かれる。その結果として所得税や住民税が軽くなる。5万円の所得税控除があるといっても、5万円税金から戻ってくるわけではない。その年の所得が5万円少なくなるから、税率に応じた金額が戻ってくる。税率10%の人なら、所得税は5000円。そして住民税は、5万円所得が少なくなった状態で税額が決定される。
最初に書いた通り保険料の控除は、収入(所得)があって、所得税を納めていることが大前提だ。
生命保険、共済の保険料控除
生命保険料控除の対象となる保険の種類にはいくつかある。生命保険料控除の対象となる保険は、まず生命保険会社と契約した生命保険、旧簡易保険(かんぽ)や農協、漁協、生協等で契約した生命共済、年金共済だ。また生命保険会社や損害保険会社と契約して、要介護状態や、傷害や疾病によって保険金が支払われる保険契約が対象になっている。
まあ、生命保険ならば、大抵のものは、保険料控除の対象にできる。後から出てくるが、保険会社や旧簡易保険(かんぽ)や農協、漁協、生協等が発行してくれ「生命保険料控除証明書」がもらえている生命保険、共済ならば控除できると思っていいだろう。
生命保険料の控除の対象となる保険料の支払い期間だが、これは他の控除や申告と同様、対象の年、つまり1月1日から12月31日までに払い込んだ保険料が生命保険料控除の対象になる。生命保険の場合、配当などが受け取れるタイプの生命保険があるが、その場合、受け取った配当金は、保険料の合計から差し引かないといけない。それは別にしてくれよ・・・とか管理人は思うのだが、キマリだからしょうがない。ここで小細工をすると不正申告で、脱税扱いされかねない。脱税は軽く考えないほうがいいだおる。脱税に頭を使うくらいだったら、まっとうに法律に触れないことで稼ぐことに頭とエネルギーをつかったほうがいい。勿論、保険料の控除は脱税ではなく節税だ。ありがたくwしっかり利用したいものだ。
さて、生命保険料控除を受けるための手続きなのだが、サラリーマンなら年末調整で一緒にやってしまえばいい。保険会社や旧簡易保険(かんぽ)や農協、漁協、生協等から発行してもらった「生命保険料控除証明書」を「給与所得者の保険料控除等申告書」と一緒に会社に出せばいい。もしその時期になっても、保険会社や旧簡易保険(かんぽ)や農協、漁協、生協等から、「生命保険料控除証明書」が届かなかったり、紛失してしまったら、再発行なり問い合わせすることになる。サラリーマンでない自営業なら、確定申告の時に一緒にすることになる。
管理人は、サラリーマン時代でも、わけあって確定申告をしなければならない事情があったので、確定申告の時にやった。生命保険料の控除は、平成22年に税制の改正があり、平成24年1月1日より後の契約については、新しい制度が適用されることになっている。控除額などが変わっているのだが、申告のやり方や控除そのものの考え方は変わっていない。
個人年金の保険料の控除
個人年金は、生命保険の一種とも言えるのだが、個人年金の保険料控除は、何でも所得控除できるというわけではない。個人年金の中でも「個人年金保険料税制適格特約」がついている個人年金に限られている。だから個人年金の契約の時に、そんな話の説明がないようなら、諦めておいたほうがいい。営業だって、少しでもセールスポイントになることは言いたいわけだから、保険料控除ができるなら、ほぼ必ず説明してくるだろうと思う。
さらに個人年金保険が、この保険料控除を使うには条件がさらにあって、年金の受取人の名前が契約者(保険料控除をする人)か配偶者のどちらか。保険料を払い込む期間が、10年以上ある。受け取る年金の種類が、確定年金、有期年金である時は、年金を受け取る日の年齢が60歳以上で、さらにその受取期間が10年以上である。という条件がある。まあ普通に老後に夫婦で備えましょうという用途の個人年金であれば、この保険料控除は使える。また保険料の払い込みが一時払いが不可になっているのが、そんだけ余裕があるなら保険料の控除なんていらないだろうということなのかもしれない。
個人年金としてほ保険料控除が使えなくても、一般の生命保険料控除に使える。もっとも保険料控除は、上限があるから、できるだけわけてフルに保険料控除は使いたい。
個人年金の保険料の控除は、一般の生命保険の控除と対象の期間も、申告方法も同じだ。
介護医療の生命保険料控除
介護医療の生命保険料控除というのが、平成24年1月1日以降に契約した時には使える。管理人は、介護医療の生命保険を、平成24年以降に契約していないので、未確認だ。調べてから加筆しようと思う。
火災保険料の控除
かつて火災保険も保険料控除の対象であった。火災保険が、保険料控除の対象から外れたのは、平成19年1月の国の税制改正のことである。損害保険料控除制度が廃止され、火災保険や、傷害保険なども保険料の控除ができなくなってしまった。管理人も火災保険の保険料控除は利用していたのでちょっと残念に思ったことがある。まあ改正により地震保険が保険料控除対象になった。火災保険の加入率はそこそこになったから、今度は地震保険を推進しようということじゃないかと思う。
火災保険の保険料控除の廃止にあたっては、一部経過措置もあったようだが、平成19年1月の国の税制改正以降、新規に契約した火災保険は保険料控除にはならない。
地震保険料の控除
地震保険料の控除は、国の税制改革で、新たに親切された保険料控除である。地震保険に加入していれば、地震保険料が「地震保険料控除」の対象となる。地震保険料控除の対象に建物は、「常時住宅として使用している建物」についての地震保険の保険料だ。例えば、個人の別荘などに地震保険をかけていても、保険料控除の対象にはならない。空家も同様である。実際に人が住んでいなければならない。
自動車保険料の控除
自動車保険料の控除は、制度して用意されていない。国が税制として決めていることだから仕方がないともいえるのだが、少々疑問にも思う。管理人は東京都内に在住しており、公共交通機関もそれなりに整備されている。自動車が贅沢品で、生活必需品ではないと言われても納得できる環境ではある。しかし地方や、田舎では、それはもう生活になくてはならないものじゃないだろうか。保険料控除は主に所得税の控除で、全国一律にするにも理解できないではないが、自動車保険料の控除はもう少し、地域性を考慮してもいいように思う。線引きは難しいのかもしれないが、例えば、過疎地域自立促進特別措置法で定められているような地域とかが対象になるんじゃないかと思う。