アトラディウス・クレジット・インシュアランス・エヌ・ヴィとは
アトラディウス信用保険会社
アトラディウス・クレジット・インシュアランス・エヌ・ヴィ=アトラディウス信用保険会社と呼びます。あぁよかった、先の長い名称が実際に呼ばれている保険会社名だとしたら、どうしようかと思いました。日本で知られているいわゆる外資系という外国損害保険会社で比較的知名度があるものはAIUやエース、チューリッヒなどが知られていると思います。それでも「知らない・聞いたことが無い」と言われる方も少なくなく、アトラディウス信用保険会社となると、なおさらでしょうね。一般の人には直接関係ないと思います。信用保険会社と言うのは欧米と日本の違いに原点があります。他種目の保険を総合的に販売する日本とは違い欧米では単種目の保険を専門に大きく販売する特徴の違いがみられます。何かの保険のマイナス売り上げを他の保険でカバーする事ができない為、リスクが発生する事も多く、その為に信用リスクのスペシャリストとして誕生しました。
信用保険会社の役割
取引信用保険とは?企業と取引先で取引が発生する中、売主が商品やサービスをしていく中で一定期間後に買主が代金を弁済する形が一般的なのですが、こうなると売主は常に代金回収ができないリスクを負う事になります。他にもさまざまな代金回収ができない事情があるのですが、代金未回収による売主へのサポートを行うのが信用保険会社の大まかな業務になります。信用保険会社と企業の関係は企業は信用保険会社に保険料を支払い、信用保険会社が企業へ与信限度額情報を伝える・信用保険会社が企業の取引先(買主)に債権回収サポートと行う事で、リスクを回避しバランスが取れるようにするサポートをしています。売主の代金未回収の理由としては他に国における外貨不足、送金制限、戦争や 自然災害等が含まれます。
アトラディウス信用保険の沿革
1925年にNCM信用保険会社 オランダ・アムステルダム市に設立され、その後1932年にはオランダ政府と非常危険に関する提携を開始。そして現在に至るまでの間にスベンスカ保険会社(スウェーデン)傘下の信用保険会社を買収やデンマークの国営EKR(輸出信用保険機構)を買収、ベルギーノルウエーに支店を置くなどし、アメリカ進出は1996年に果たしました。アメリカ進出後もドイツ・フランス・スペイン・イタリアなどに展開し、日本の多種多様の総合保険販売スタイルではなく。単独保険販売スタイル主流とする欧米の保険会社をサポートしてきました。社名が、NCM信用保険会社2004年にアトラディウスに社名変更し、現在に至ります。どちらかというと世界的には諸外国で必要とされる事が多い保険会社が信用保険会社の特徴が強いようです。
日本支店の概要
2004年12月20日に日本における損害保険事業免許取得しています。これがアトラディウス信用保険会社の日本支店の誕生です。日本での事業内容は「取引保険の引受け」という事で再建保険の仕組みとよく似ているような感じになるかと思います。少しさかのぼるのですが、日本支店が損害保険事業免許を取得する前に実は、アトラディウスインフォメーションサービス東京支店として1999年11月1日には稼働していました。事業内容は「企業・製品・サービスについての経済・財務情報の収集・分析」という事でしたので、この時点で総合保険会社を扱っている日本でも信用保険会社が必要になる事を予測していたのですね。外資系のすごさは、設立した国にだけにとどまらない事。企業を立ち上げた瞬間から世界を規模に物事を考える所が日本の保険会社からすれば斬新で最新の保険商品が提供されるのではないでしょうか。
グループの概要
アトラディウス・クレジット・インシュアランス・エヌ・ヴィと言うのは正しくはアトラディウス信用保険会社の親、つまりグループ名になります。長いなぁ(笑)このグループの概要ですが、貿易保険など規模が大きいものも含めて世界で最も優れた信用保険である事を公開し、世界中の50カ国以上、その後160事務所を通じて存在している事・世界中の3,300人のチームを持っている事などに加え歴史が85年以上あるという事つまり世界中の信用保険会社では老舗である事を示しています。グループの概要と言ってもほとんどがアトラディウス信用保険の事なのですが、スイス再保険ドイツ銀行などの株主として主要な国際金融機関のグループだった事も公開しています。何だか気が遠くなる話ですが、だんだん、日本の一般人が直接契約する保険会社では無い事がグループの概要から判りましたね。
契約する指定紛争解決機関
アトラディウス信用保険では、法律に定められた指定紛争解決機関である一般社団法人「保険オンブズマン」と手続実施基本契約を締結し実績があります。一般社団法人「保険オンブズマン」この名前、外資系保険会社はほとんどが会員になっているようですが、アトラディウス信用保険の様な大きな会社でも「保険オンブズマン」に加入(会員になる事)で日本に、あまり知名度が無くてもトラブルや苦情が発生した場合には対処できるように備えているというわけです。すごく偏見的な意見を言うかもしれませんが日本人は『外国もの』が大好きな反面、苦情を言いだすと信用が全くなくなり「どうしてくれるんだ!」と言わんばかりの体制になりがちです。イマイチ外国ものが信用できないけど、流行ものは大好き。
バックや時計の外国ものには抵抗が無いけど、外国の保険には抵抗があるという事ですかね。。。
保険事故について
保険事故と言うのをご存知ですか?「信用危機」「非常危険」の二つの項目に大きく分かれるのですが、「信用危機」には延滞債務不履行・支払い不能があります。主に支払い不能に関わる項目が多く、保険事故の大半が支払い不能に関するものと言ってもいいでしょう。もうひとつ「非常危険」に関しては海外の買主に係る損害のみに適用される保険です。なかでも『戦争:買主の国における戦争(内戦、反乱、暴動)、革命、騒乱の発生』に関する事が何らかの形で補償されるという事は大きい影響力がある保険だと思います。昨今の世界時事情を考えると、アトラディウス信用保険が保険事故を予測して備えているという事は非常に重要で且つ必要性がある事だと思えてなりません。
他には無い求人募集
アトラディウス信用保険では他社には無い職種の求人を公開しています。その職名が「アカウントマネージャー」。要するに営業社員なのですが、なんせ国際的な信用保険会社ですので、応募資格の条件が何とも、、、高くて。法人営業の経験を持っている方・会話・メール等のやり取りを英語で支障なく行うことが出来る(TOEIC800点以上)とあるのですが、TOEIC800点以上って、、、他には無い応募資格ですね(笑)この2点をクリアすれば採用試験を受験する資格があるようですが、実際に問われるのは採用後です。1社1社にオーダーメイドの保険商品をの提供しますのでマネジメントや相手の要望を世界隔たりなくコミュニケーションできる能力が要求されます。仕事的にはやりがいがあるかも知れませんね。収入面は年俸制 450万円~700万円と言いますから、日本の損保会社とは違った厳しさがあるかもしれません。外資系の特徴は、年功序列で給与は決まらないので、成績を残さないとその年の賞与が0(ゼロ)なんて事もザラなんですよ。
東京海上との関係?
へぇー知らなかった。東京海上日動火災保険、貿易保険でアトラディウスと合弁会社を設立していた事です。2006年に合併して既に業務を行っているようで業務の内容としては主に火災保険と貿易保険で出資率は50%ずつと、お互いに得意分野でタッグを組んだのですから、これはすごい大きな規模の企業サポートができるのではないでしょうか。しかし、さすが東海日動ですね、ぬかりがないと言うか、損保ジャパンと日本興亜が合併してもビクともしないと噂されている裏事情には国際的に歴史のある信用保険会社との繋がりがあったのですね。また、アトラディウス信用保険にとっても知名度が高い日本のトップとも言われる東海日動とタッグを組む事で日本での知名度も上がり、信頼度も挙がって来るのでは無いかと思います。保険会社の合併は日本社同士の合併も魅力的ですが、海外保険会社との合併も世界経済的に考えると心強いですね。
安定感の継続が強い今後。
この保険会社に関しては、今後も必要不可欠とされている保険会社ですので世界恐慌でも起こらない限り危機にさらされる事は無いかと思います。そうでなくては困るのですが、アトラディウス信用保険という名前は世界的には知られていても日本ではまだ、知名度がさほど高くなくむしろ低いという事以外は安定感があると思います。知名度に関しては肝心要の事業の方が知っていればいい面もありますが、せっかくですので東京海上日動と業務を提携している事もアピールする事で国内の保険会社の刺激にもなると思うのですが。ただ、アトラディウス信用保険は個人で加入できる保険では無いので一般の方の関心は薄いのが少し残念な気もします。何かの危機にさらされてからアトラディウス信用保険の名前を耳にする事だけは避けたいですね。