損害保険ジャパン日本興亜株式会社 自動車保険

自動運転に関する話題がにぎやかです。ちょうどテクノロジーの進歩が熟してきたこともあるのでしょうが、さらに加えて、やはり国の施策が大きいでしょう。
アベノミクスの一環の「戦略的イノベーション創造プログラム」、内閣府の「自走走行システム推進委員会」、経産省、国交省の「自動走行ビジネス検討会」といったことが立ち上がり、大手自動車メーカーや部品メーカまでも参加して、日本が一体となって自動走行の分野で世界の競争に勝っていこうとしています。そりゃあ、もう大変です。

 

今の分類では、自動運転はレベル1からレベル4までとされています。
レベル1は、加速、操舵、制動のいずれかをシステムが行うもので、すでに今の段階で実現化してしています。レベル2は、加速、操舵、制動のうち複数の操作をシステムが行うもので、オートクルーズもここに分類されています。ここまでは、責任の主体はあくまでも、ドライバーです。レベル3になると、加速、操舵、制動のすべてをシステムが行い、システムが要請した時だけドライバーが対応するものです。こうなるとシステムの責任というのが、出てきそうです。そしてレベル4は、加速、操舵、制動のすべてをシステムが行い、ドライバーはまったく関与しないとしています。もうドライバーいらなくなりますね・・・。

 

近々では、高速道路で自動レーン変更などができるレベル2の自動走行の実現が言われ、自動パーキングの実証実験が開始されています。トヨタ、ホンダ、ニッサンなど、それぞれ2020年には自動運転の実用化を目指しています。
東京オリンピックでは、自動運転のロボットタクシーが出るんじゃないかなんてことも言われています。

 

自動車保険としては、レベル3までは、現在の自動車保険の特約付与などで、対応できるといわれています。しかし、レベル4になって、ドライバーが関与しないとなると、これはもう、自動車なの?事故の責任はどうなるの?と自動車保険の考え方も大きく変わりそうです。

 

自動運転の開発状況、国や企業の思惑や方向は以上の様な状態ですが、これを背景に、損保ジャパン日本興亜が自動運転車に関する意識調査を行いました。
国策として、国の利益、経済的な意味で国の未来のために、官民一体で自動運転を推進し技術開発をするのは、なかなかいい施策だと思います。役人さんも、ちゃんと仕事してくれているじゃんと、この件については、素直に称賛できます。
でも、国やメーカーが自動運転技術で世界で勝つんだ!と気合をいれているのはいいですが、社会に、一般に、スンナリ受容されるか、受け入れられるのかは、また違う問題でしょう。

 

損保ジャパン日本興亜が自動運転車に関する意識調査の集計結果の一つですが、緊急時以外は自動走行する車、ドライバーが運転席に座り緊急時にはドライバーが対応する自動車を使ってみたいかという質問に対して、保険による補償があることが前提であれば、75%の人が利用したいと回答したといいます。
そうですよねぇ、なんかほっとする回答の集計結果です。管理人なんかも、保険が効かない/支払われるかどうか微妙 とかになると、自動運転は怖くて使えないですよね。怖くない人は、そもそも、自動車保険は自賠責だけで済ませている人かもしれないですよね、話題が少しずれますが、自賠責って、もう少し値段あげても、対人の賠償金額は無制限にするべきだと思うんですよね。あるいは、自賠責はそのままでも、任意の自動車保険の対人賠償無制限だけは義務とする・・とか。
自動運転は、使いだしたら便利だと思います。管理人も、高速道路のオートクルーズでさえも気分よく、便利に使ってました。自動運転はもっと快適で便利なものになるでしょう。
でも便利だからといって、万が一、他人を傷つけた際、賠償できないような自動運転だったら、そりゃあ使うのが、申し訳ないというかためらってしまうというか。このアンケートの結果は、管理人の感覚に近い方が多かったことを示しているように思います。
緊急時以外は自動走行する車における切り替え中の事故でドライバーに直接的な過失がない場合でも、ドライバーが責任を負うべきである・・。という意見の人は30%を越しているそうですで、年齢があがるほど割合が高くなっているということです。まあ、機能を「使う」という選択をしているのは自分ですから、責任を負うべきと考えるんでしょうね。加えてこれは国民性にもよるものもある気がします。訴訟が日常的になっているような社会では、この結果はでないんだおるなぁと思います。ネコを洗濯機で洗ったり、電子レンジで乾燥させようとして、死んでしまったらメーカーが悪いと訴訟が起きるような社会では、自分に非があるなどとは絶対認めず、どんな事故でも、自動運転を開発した会社が悪いと考える人が多いのでしょうね。
管理人も、自動運転にある程度の期待をしているひとりです。誰もがそうでしょうが、交通事故の減少、高齢者の移動支援、行動範囲の拡大、快適性の向上などが期待されます。一方、機能の誤作動や事故の責任の所在の不透明感など、不安な要素もあります。
マイナス、ネガティブな要素を打ち消す上で、自動車保険の果たす役割は、大きそうです。まあ管理人が言わんでも、そう思っているからこそ、損保ジャパン日本興亜も、アンケートを実施するなど、取り組みを進めているんですけどねw


自動運転をどう考えるか 損保ジャパン日本興亜が実施したアンケート 2017/4/20関連ページ

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