損害保険ジャパン日本興亜株式会社

衝突事故防止を支援するアイサイトやら、やっちゃえニッサンやら、自動運転で走行する自動車が、いよいよ現実に街中をバンバン走りまわる日が、そう遠くない未来にやってくるでしょう。
技術的な課題などは、自動車メーカーや、そういった問題に詳しい方にお任せするとして、このサイトは保険マップ。自動運転を、自動車保険という切り口から見ていきたいとと思います。

 

自動運転の機能を使って走行している自動車が人身事故を起こしてしまったら、それは誰の過失になるか、いろいろと難しい問題がありそうです。自動運転の機能を開発した自動車メーカーの責任になるのでしょうか。それとも、自動運転をさせると決めた運転者の責任になるのでしょうか。事故で被害にあってしまった方の保障は誰がするのでしょうか。
現時点(2017/3)では、実用化されている自動運転というのは、「運転支援技術」ですから、あくまでも支援で運転の主体は人間です。責任は、運転者にあります。だから事故の際に、損害賠償責任がどこにあるのか不明確にはなりません。しかし技術の発達は多くの場合予想を越え、さらには、サイバー攻撃といった要素も存在します。
高齢の運転者の事故増加も無視できない話です。自動運転の推進、高度化に期待されるものは大きいと思います。
今後、運転者の責任である・・と単純に言い切れないケースが出てくると、一番困るのは、事故の被害者です。責任の所在がハッキリすれば、それこそ自動車保険の出番で、ちゃんとそれなりの保障がなされるでしょうが、賠償責任の所在が不明瞭のままでは、なかなか保険金、保障の支払いができないのが現実でしょう。

 

今回の損保ジャパン日本興和の「被害者救済費用特約」の新設、「無過失事故の特則」の改定は、そんな近い将来を見越し、先取りした対応といえるでしょう。
管理人は、このニュースに接した際、頭の中で、すげぇ、立派立派と拍手してしまいました。

 

被害者救済費用特約は、契約の自動車の欠陥、不正アクセス等により人身、物損の事故が発生した場合、運転者等の被保険者に損害賠償責任がなくても、被害者に生じた損害について被保険者が負担した費用を支払う特約です。この特約で保険金を払っても、継続契約の等級には影響しません。
「無過失事故の特則」の改定は、契約自動車の欠陥、不正アクセス等に起因して自動車以外に接触した場合、継続契約の等級に影響しないことになります。
この新設と改定は、2017/7/1から適用されます。適用によって補償の範囲が広がりますが、保険料の変更はなしとなっています。

 

 

損保ジャパン日本興和の今回の取り組みが、自動運転が待つ未来に対して、自動車保険の立場から、するべきことを十分にしているかどうかは、今の管理人にはわかりません。数年後、こんな補償じゃ全然足りないと書いているかもしれません。しかし、損保ジャパン日本興和が、わからないことが多い中でも、被害者救済の視点から考えられることを新設の特約として加えたことは、企業として立派な姿勢だと思います。

 

企業などがやることは、とかく批判的に物を書くのが文化人の資格のように思われがちなご時世ですが、保険マップでは、いいな、いいねと思うことは、素直にそう書きたいと思います。


自動運転車に対応した保障 損保ジャパン日本興和 2017/7/1提供開始関連ページ

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