au損保というと、自転車向け保険のイメージが色濃くある。au損保が開業記念で販売したのは、100円自転車プランだったし、初期に販売を開始したのがスタンダード障害保険「Myスマート保険 自転車ワイドプラン」、「Myスマート保険 100円 自転車プラン」などだ。
auスマートパス会員向けに無料の自転車保険(携帯会社が提供し、au損保は引き受け)もあったし。
そんなau損保だから、「au損保 新たな自転車向け保険販売」のニュースに接したとき、心が躍った。
まあ、こんなニュースの見出しで、ココロが躍っているとかいう時点で普通じゃないかもしれないが、それにはこれ以上、深入りしないでおく。
「au損保 新たな自転車向け保険販売」の中身を見ていくと、新たな商品というよりも、新しい特約が、自動的に保険料を変えずに付帯されるというものだった。
「ヘルメット着用時死亡特別保険金保障特約」という特約だが、ヘルメットを着用していない状態でも死亡保険金は給付される。それに加えて、正しくヘルメットを着用していれば、さらに特別な死亡特別保険金100万円が給付されるというものだ。
au損保が、こんな特約を開発し、保険期間が2017年2月16日以降に開始される契約に、無料で付帯するようになったのには、ちゃんと理由と背景がある。
自転車の死亡事故で頭部損傷を原因とするのは60%。そしてヘルメットを正しく着用していれば、死亡する割合が1/4になるという。表現を変えてみれば、みんながヘルメットを着用していれば、自転車の事故で死ぬ人は、半分で済んでいたって数字だ。半分の人は、死なななくてもいい人だったということになる。
この特約そのものが、ヘルメットの着用率を直接高めてくれるかどうかは疑問だ。
遊び盛りの子供に「あんたが死んだときの保険金が100万円増えるんだから、ヘルメットは被っていきなさい!」という親がいるとは思えない。まあ、さすがにそうは言わなくても、事故の時の死亡率が1/4になるということを知れば、自転車用のヘルメットを、自転車を買い与える時にあわせて買う親も増えてくるだろう。自転車をねだる子供に、ヘルメットの着用を約束させ、守ることを、買い与える条件にしたっていいと思う。
管理人自身は子供のころ自転車に乗るのに、ヘルメットなんて被ったことはない。周りにもそんな子供はいなかったしね。今、自転車コースがあるような都立の公園とかにいくと、ヘルメットをかぶっている小学生を普通に見かけるようになったな。ヘルメット着用は、シートベルト同様に義務化してもいいような気がする。
au損保が「ヘルメット着用時死亡特別保険金保障特約」を開発した背景には、もうひとつ、あちこちの自治体と自転車の安全利用に関する協定締結など、自転車の安全、安心な環境へ向けての取り組みを積み重ねてきたことも大きいだろう。今回の特約は、2016年7月に東京都と締結した協定の一環でもあるようだ。
「ヘルメット着用時死亡特別保険金保障特約」の対象になるのは、SGマークかCEマークのあるヘルメットだ。なんちゃってヘルメットの着用では、対象にならない。まあ対象になる/ならない って話より、いざって時にちゃんと頭部を守る/守れないって話が大事なんだと思うんだけどね。
蛇足
大阪のおかんと、ぼんのやり取りの想像が止まらず、しばらく一人笑っていたことを白状しておく。
おかん
「ちゃりで、でかけんやったら、あんたが死んだときの保険金が100万円増えるんやから、ヘルメットは被っていき!」
ぼん
「100万か、そら、ごっついなぁ。それもろうたら、たこ焼きぎょうさん、買うてな」
おかん
「そらぁ、100万あったら、たこ焼きはぎょうさん買えるがな」
ぼん
「ごっつう楽しみになってきたわぁ」
おかん
「ほなら、あんたの位牌の前に・・・」
以下略。
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- 加害者にも被害者にもなる確率が高いことから、自転車用の損害保険に加入しました。今まで一度も事故に合ったことがなく、一応加入するが大丈夫だろうと思っていました。しかし