保険まっぷ

ある保険会社のシステム保守に関わることになった1

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ある保険会社のシステム保守に関わることになった。

守秘義務というのがあるから、どこの保険会社なのかは、明らかにするわけにはいかない。この先登場人物がでてきても、全部仮名だ。いろいろ伏せて書いていく上で、どこのことかはわからないようにするが、保険会社やシステムが違っても、まあ、SEとかいう仕事をしている人なら、「あるある」「わかるわかる」と言ってもらえそうな気もする。
誰かを貶めたり、特定の保険会社の評判を落とそうなんて意図では書いていない。

保険会社の仕事が嫌になって

こんなものを書いていく一番の目的は、この保険会社のシステム仕事が、ホント嫌になって、たまらんからだw
ちょっと吐き出さないと、精神衰弱かウツ病になりそうだw と、いうか、すでにもう、半分ウツだったかもしれない。今、立ち直るための自分の整理が目的なんだが、まあよくある話だと、自分の中の冷静な部分はそう言っている。とりあえずはじめてみるが、この先は、一般に保険の利用を考えている人には、何の役にもたたない記事だ。しかしまあ、保険じゃなくても、金融とかのシステムエンジニアで、仕事に閉塞感とかを感じている人には、共感できる部分もあるだろう。俺は別に遺書のつもりで書きだしているわけじゃないしwグダグダ言っても最後は、「やるかしょうがない」という結論になりそうな気がしているから、そういう迷い、悩みのある人には、参考になるかもしれないと思わないでもない。前置きはこれくらいにしておこう。

保険会社のシステム関わるキッカケ

俺が、面倒を見ることになった保険会社のシステムの最初のリリースは10年以上前だ。ぶっちゃけかなりレガシーな時代遅れの代物だ。勿論当時としては、一生懸命作ったものなんだと思う。けれど今日的には、いろいろアラが見えてしまうのが仕方がない。ソフトウェアやシステムの構築の基本思想がもう変わっているから当然だろう。
俺への依頼は、そのシステムの保守を引き受けて欲しいというものだった。
俺は数年前に、小さなソフトウェア会社の役員を退任した。一応、ちょっとは仕事を探したのだが、年齢も年齢。カビの生えたロートル親父に仕事をやろうなんて、もの好きな会社が、そうそうあるわけがない。ある程度は探したが、いったんあきらめた。しょうがない自分でホソボソと個人事業でもやりますか。自宅で、こちょこちょとやり出して、まぁまぁ食える程度にはなった。この保険マップもその中でできて来たものだ。そうして、数年が過ぎた。

やってみますか、保険業務の知識はないけど

けれども数年過ぎると、そろそろやはり現場というか、人との仕事がやりたくなってきた。このまま自宅に引きこもり、ノンビリやっていく人生も悪くはないけども、もう1システムくらい、1年から数年はやってみたいなぁと思いだしたのだ。昔の付き合いのある数人に声をかけて、焦らないから、何かあれば声をかけてくれと、依頼しておいた。
で、そんな中、俺への依頼というのは、保険会社のレガシーなシステムの保守だった。末端の小さなパートなんだが、10年近く、ずっと保守に従事している人物がいて、その交替をしてほしいという。2年くらい前から、何人か交替要員として配属してみたが、どうもうまくいかない。10年やってきた人物が、キツイ人で、交代者の心が折れてギブアップを続けているんだと言う。
俺は、保険の業務知識はまったくない。さらに対象システムのOS、プラットフォームへの知識も乏しい。厳しいなぁとは思ったものの、実務的には若い人が2人いるから、リーダーとして動きながら覚えてもらえばいいということで、まあやってみますか、と入場した。

何ですんなり設計が

外部設計は、特にUIの理解は、ある程度できた。業務知識がないのが、一番妨げにはなった。しかし、契約しデーターを保持し、保険料と保険金などの金の流れ、立場、役職で必要とする集計、機能を想像しながら読んでいけば、かなりの理解ができる。RD,要件定義フェーズの資料が最初になかったのが厳しかったが、ファイルサーバの片隅から、(おそらく古いのだが)見つけることができて、流れとしては理解に至った。ここは、何とかなった。
レガシーなシステムの内部設計書なり、プログラムソースを読んで、システムの動きを理解する。分岐する条件を掌握する。保険だろうと何だろうと関係ない。そんな特別なことじゃない。上流工程なら業務知識もいるだろうが、内部設計、ソースになれば必要ない。20年以上前にさんざんやったことだ。普通にレガシーなら理解できるはずだ。だが何かおかしい。どうもスンナリ入ってこない。
おかしい、俺はもうすっかりロートルで理解力が落ちているのかと、かなり自信をなくした。
で、今になってやっとその理由がわかった。このシステムは、周囲のいろいろな世の中標準と隔絶されて、独自の進化をとげている。いろんな事情もあったと思う。悪いといっているんじゃない。仕方ないことだったのだろうと思う。この環境で、最適と思われる方向に、修正や追加や工夫が積み重なってきているのだ。結果、独自の進化をとげることになった。
こればっかりやっている人には、何の不自由も問題もないだろう。だが、いわばこれは、ガラパゴスシステムだ。ガラケーと同じだ。周囲から隔絶されて、その環境にもっとも適応しようと時間を重ねてきた結果、外部からみると奇妙奇天烈な代物と化しているということのようだ。俺がそれに気が付いたのは、あまりに自分の理解が及ばす、前任者から愚弄されて、プライドも自信も、いったん崩壊してしまった後だった。

これってガラパゴスな保険システム?

郷に入れば郷に従えという言葉がある。大事なことだと思う。他所ではこうかもしれないけれども、この現場、この環境では、こうなのだ。それは素直に受け入れるしかないことだと思う。保険のシステムだからということじゃない。何のシステム、何の業界でも
環境が悪いのだ、世の中が悪いのだ。中学生や高校生が言うなら、まだ許容もされるだろうが、いい歳をしたオッサンがそんなことを言っているわけにはいかない。そんなことは当たり前のことで、飲み下す。それが年齢相応の分別じゃないかと思ってきた。今までそうやって仕事をしてきた。
恐らく、普通のレガシーなシカケであれば、それを理解し最適解を導き出すのは、それなりにできたんだろうと思う。違和感を感じていても、飲みこみ、消化できたんだと思う。だが、ただのレガシーじゃなかった。独自の異様な変化、進化をしたガラパゴスシステムだったのだ。

ガラパゴスで死す

ガラパゴス島は、外から飛んでくる、あるいは渡り鳥が運ぶ種子などは、繁殖できない。ガラパゴスの環境に特化したライバルに滅ぼされてしまうのだ。逆にいえば、それはガラパゴスでしか生きることができないのだが、そんなことを言ってもしょうがない。戦場はガラパゴスなのだから。
あるいは俺は、「バッカじゃないの、ガラパゴスの帝王に、システム構築一般の、どうたらこうたらを言われたくないわい」と言い返せば良かったのかもしれない。だが、それこそそれは、郷に入れば郷に従えということを否定するものだ。だから飲み込んだ。
テストファストが唱えられて、特にWEBアプリの世界では、テストツールが充実していきているというのに、そんな気配もない。人間を投入し、バカみたいな打鍵。そしてその出来栄えが、何よりも大事というモノサシで、ガラパゴスの帝王が言い立てる。客の立場で考えろとのたまう。
10年同じ現場で保守をしてきて、そんなツールの試験導入、評価も考えなかったのか、世の中の動きに目をそらしてきたのか、お前が、このシステムをガラパゴスの状態にして、客の利益を損ねている一番の戦犯じゃないか。そんなことも飲み込んだ。
影響調査、リグレッションテスト。それが大事だから、テストファストから自動化テストと、頭のいい人たちが考えてきているんじゃないか。自分でそれを思いつくことができなくても、ITの業界の潮流に背を向けてなければ、考えついたはずだ。それはもう死語じゃないのか。それをしなくていいように、設計し、計画するんじゃないのか。
それも飲み込んだ。
不自然な実装。「データー対比表」が大事だと嬉しそうに言うガラパゴスの帝王。データー対比表。げっそりだ。「変数名やフィールド名は人間がわかりやすいように有為な命名をしましょう」そんな文化でのコーディングをしてきた。レガシーな世界ではよくある話だが、それをWEBに持ち込むか。それが憲法です、正義です。そうか、ガラパゴスではな。それがこの島で生き残るスベか。
昔、表計算ソフトを使って縦書き原稿を書いている人がいたが、そんな気持ち悪さを感じる。hideenの異常な多用。おい・・・。セキュリティ大丈夫なのか。これは、やっちゃいけないことのひとつじゃないのかね。
それも飲み込んだ。
自分が正義だとか、自分が最先端だと言うつもりはない。知らないことも間違えて理解していることもあるだろう。
だからガラパゴスの流儀を、善悪を意識しないで飲み込もうと努めてた。もうそこで一端、思考停止するしかない。
それは考えない。考えると手が止まる。
リーダーで、若い2人がいるからという話も変わった。2人ともいなくなった。なんだこれは。それでも、受けたことだ。
依頼者の予算のことも理解はできる。できるから、文句は言わなかった。どう対処するかを一緒に考えた。
なんだかんだで、飲み込み過ぎた毒が許容量を超えた。おり悪く、業務も集中し、負担が一気に増えた。
「やってられない!」と、ちゃぶ台をひっくり返すこともできないくらい毒が回って、何が自分の常識なのか、システムとはどう構築、運用すべきかという自分の信念すら見失った。
こうなると、もう、何もできない。

保険システムの再起に向かうか

バカでノロマでグズな亀です。
何もできない、考えられない。
ブチ切れて、喚き散らすこともできないくらい、気持ちが弱ってしまった。

数日が過ぎた。
依頼者から、何とか復帰できないかという話が来ている。
冷静に考えて、このガラパゴスには、誰をもってきても、定着するのは難しいだろう。
トドメは、ガラパゴスの帝王になっている前任者。これと話をしていると、何かがおかしくなる。
いろんなエンジニアをイメージしてみるが、誰も適役には思えない。
というか、本当にできる奴は、最初からこの話は断るだろう。

少し元気にはなってきた。
自分の感覚、常識を失っていたのだが、ようやく戻ってきた。
戻ってきたら、怒りが込み上げてきたw
そうだよな、俺がおかしいわけじゃない。ガラパゴス的にはダメだけどね。普通はこれがわかると、「音楽性が違います」と撤退するか、クビになるのが、通常だろうけどね。
そんな奴だと理解して、まだオーダーしてくるのかな?
余人がいないんだよな、結局。

さて、どうするか。
異文化でもあろうとも、レガシーであろうとも、その現場にあわせて仕事をするのは、プロだと思ってきた。
けどなぁ。自分がガラパゴスの帝王であることを自覚していない奴に、エンジニアとして基本素養の部分にまで立ち入られて否定され続け、それを耐えてまで、ガラパゴスを制覇する必要があるのか?
報酬はけしていいとは思ってない。むしろ格安で入場していると思っている。それでもリーダーであれば、やがて何人か自分の系列から要員を入れさせて、利益につなげれば、交渉もできるんだろうと思っていた。
が、予算的なシバリで一人になる。いずれ無くなることを運命づけられたシステムで、今後その可能性はないだろう。その望みもない。
一度定着すれば、交替は至難だ。結局安い報酬のまま、気苦労だけし続けるのか?
「あの山の向こうには、幸福の青い鳥がいて、もっといい現場があるに違いない。」そんなことは思ってない。この年齢では、そんな甘い話はあるわけない。
というか、お前、そんなものは、「どこかにないかなぁ」じゃなくて、自分で作れよwていうのが、本来の俺だよな。

ただ一方、ほんとうに依頼者が困っているだろうことも想像することが容易だ。モチベーションの大きな要素は、「信じられ」「期待される」こと。それは昔から変わってはない。そのために自分の余生を、あまりに犠牲にする気にはなれないが、誠実には答えたいとは思うのだ。
妥協点はなんだろうね。

柳に風と流すのを旨とするが大人の知恵なんだろうが、飲みすぎるとまた自分がおかしくなりそうだ。
帝王と会話をせねばならんなら、これは、もう、反撃していくしかなさそうだ。もう、これ以上、ただ我慢しているのは、気持ちがもたない。

善後策、自分だけで考えず、相談しますかね。
反撃してもいいですかねw


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